試験時間が足りない
英語の文章と国語の文章に分けて説明していきます。
【1】英語の速読について
ここでは、長文の速読を想定して説明していきます。
英文を速く読むコツを一言で表すと、先の文章を予想しながら読むことです。
予想しながら、読むためには英文の特徴を理解することが大切です。
(1)英文の特徴として、”旧情報から新情報に”文章が展開していくというものがあります。これは、一文のなかでも段落を通してでも共通しています。
例えとして、受動態と能動態をあげます。
①She wrote Harry Potter. (旧情報:she、新情報:Harry Potter)
②Harry Potter was written by JK Rowling. (旧情報:Harry Potter、新情報:JK Rowling)
上記の二つの文章は意味自体はほとんど同じですが、新情報と旧情報が反対になっています。
①の文ではshe(JK Rowling)旧情報ですが、それに対して②の文では新情報になっています。
①の文が長文に出てきたら、これまでの文章でJK Rowlingのことについて書かれていたことが分かります。また、この後の文章では、Harry Potterについて書かれるかもしれないという予想がつきます。反対に、②の文が出てきたら、これ以前の文章でHarry Potterについて書かれていたことが分かります。そして、この後の文章にはJK Rowlingの半生について書かれるかもしれないという予想がつきます。
このほかにも、旧情報から新情報への展開の例として、Harry Potter>this book>itのように名詞が変化していくというものがあります。旧情報から新情報への情報の展開を意識して読むことで、代名詞の把握が速くなるという利点もあります。
(2)英文には読み飛ばしてもよいものが存在します。これは、もちろん問題を解く上ではあまり重要ではない文・単語があるということです。
共通テストで実際に使われた例として、RCA(Radio Corporation of America)のような単語がありました。基本的に略語が使われている場合はのちの文章でも、略語で出てくるので()の中身を丁寧に読む必要はありません。
また、Peter Mark, Professor at the University of Minnesotaのような文も見たことがあると思います。当然、カンマの後の肩書についてはのちの文章ではあまり重要でないことが多いので、読み飛ばしても大丈夫です。
このようにして、必要な英文だけを読んでいくことで英文を読む速度は上がってくると思います。
(3)共通テストの英語に限った話でいえば、文章量に対して問題にかかわる部分が少ないので、問題を先に読んで、必要なものを文章から探してくるという形式で解くのを勧めます。
【2】国語の速読について
国語の速読が現代文と古典で大きく変わります。個人的には、古典の方が読むスピードを上げやすいので、古文・漢文の速読を鍛えることを勧めます。
(1)現代文について
現代文、とりわけ評論に関しては速読のコツはだいたい英文と同じで、先の文章を予想しながら読むことが大切です。
受験現代文の評論で扱われるテーマは大体決まっているので、どのテーマについて書かれているのかが分かれば、速読に役立つとおもいます。
加えて、段落ごとのテーマにも注目して読んでください。一つの段落では、一つのテーマについて一貫して書かれていることが多いので、先の文章を予想するのにも役立つと思います。
(2)古典について
古典のなかでも漢文が時間を短縮しやすいと思います。漢文は語順に注目すると速く読めます。
漢文の語順は基本的に英語と同じSVOです。語順を意識して読めば、白文のまま読めるようになり、結果的に日本語を経由しない分、速く読めるようになります。慣れるまでには少し時間がかかるかもしれませんが、読むスピードは劇的に上がります。
以上が国語と英語の速読のコツになります。
どうぞ試してみてください。