読書はしなくても良いか?
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12/20 13:48
UniLink利用者の80%以上は、難関大学を志望する受験生です。これまでのデータから、偏差値の高いユーザーほど毎日UniLinkアプリを起動することが分かっています。
ブリッジ
高1 神奈川県 東京大学志望
現在高1です。中学までは読書好きで、月10〜15冊程度は読んでいました。ジャンルは将来勉強したい心理学関連が多いですが、書店で見て気に入ったものも読んでおり、中学までの国語は些か物足りなさを感じたりしてました。
しかし高1になって英語数学の勉強量が一気に増え、読書する時間が無くなりつつあります。かつ高校の現代文は論理が入り組んでいるものが多く、あまり読書量は関係ない気がします。
東大生は読書好きが多いと新聞で読んだことがありますが、今の自分には落ち着いて読書する余裕がありません。それなら世界史や地理の教科書を読んでいる方が良いと考えてしまいます。
旧帝大を目指す受験生は、それでも読書した方が良いでしょうか?アドバイスよろしくお願いします。
回答
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京都大学農学部
すべての回答者は、学生証などを使用してUniLinkによって審査された東大・京大・慶應・早稲田・一橋・東工大・旧帝大のいずれかに所属する現役難関大生です。加えて、実際の回答をUniLinkが確認して一定の水準をクリアした合格者だけが登録できる仕組みとなっています。
はじめまして。
まず因果と相関の話をします。
AとBの事象があって、両者のうちどちらかがもう一方の原因になっている(どちらかがもう一方の結果になっている)関係性のことを因果関係と言います。そして例えばA(が起こる確率)が大きくなればB(が起こる確率)が大きくなるor小さくなるような比例関係を持つことを相関関係と言います。
ここからが大切で、因果関係があれば相関関係があります。AがBの原因であれば、Aが大きくなればBが大きくなるという比例関係があり、すなわちAとBには相関関係が生まれます。ただしAとBに相関関係があるからと言って、AがBの原因になるとは限りません(逆もまた然り)。たまたまAとBが比例関係にあるだけということもあります。
このような状況は意外と多くて、AとBには共通の原因があって両者とも結果であるが故に、AとBには相関はあるが因果はないという状況(これを擬似相関といいます)もあります。もちろんこれとは違う状況もいくらでもあります。
世間では相関と因果がごちゃごちゃで伝えられているのをよく見かけます。人は相関関係の中に本来無いはずの因果を見出そうとする性質があります。これは誤謬です。
さてここからが本題です。
果たして「東大に合格する」という事象と「本を沢山読む(習慣がある)」という事象の間に因果関係はあるでしょうか。よくテレビでグラフを見かけるので、そのグラフが偽造されていない限り相関関係はあるかもしれません。ただそこに客観的な因果を示す根拠を見かけたことはありません。すなわち私はそこに因果はないように思います。共通する原因はあるかもしれません。「知的好奇心が強い」ため、「東大に合格する」という事象も起こり「本を沢山読む」という事象も起こる。私はこっちの方が客観的に正当性があるように思います。すなわち因果関係ではなく擬似相関関係なような気がしています。ただこれは私の推測であり、確証はありません。
何が言いたいかと言うと、本を読めば成績が上がる(東大に受かる)という説は私は一切信じておらず、本なんて別に読まなくてもいいでしょっていう立場です。読みたければ読めばいいし、ためになると判断した本は読むべきだと思います。ただ一般論として学力を本を読むのは私は時間の無駄なのでやめた方がいいと思います。
これは補足ですが、国語の特に現代文という科目に必要な能力は論理的思考力、具体的には論理関係を抽出しそれを論理的に説明する能力です。たしかに本を読むためには必要な能力ですが、本を読むことで効果的に得られる能力だとは思いません。参考書を読んで体系的に勉強した方が効率的に得られると思います。
コメント(1)
ブリッジ
12/20 15:36
凄く丁寧なアドバイスありがとうございます。
迷いが薄れました。
それでも必要な読書は続けたいですが、無理してまでは避けたいと思います。