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数学科 将来

クリップ(7) コメント(3)
6/22 22:12
UniLink利用者の80%以上は、難関大学を志望する受験生です。これまでのデータから、偏差値の高いユーザーほど毎日UniLinkアプリを起動することが分かっています。
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かきふらい

高2 埼玉県 九州大学理学部(60)志望

将来数学教師になりたいと思っていて、進学は数学科にしたいと思っています。数学(特に幾何学)にも興味があるのでここは変わらないかなと。ただ、昨今の教育業界を見るに、いつ挫折してもおかしくないと思っています。 そうなった時に一般就職を考えるわけですが、数学科って何が評価されるのでしょうか?と言うのも、「理系は就活に強い!」という世論は工学とか情報、データサイエンスのことを指していると思うんです。ゴリゴリに深い数学を学んで、それが直接活きるかと言うとそんな気がしないので…。しかも理系と言えば院進が多いので、尚更と言いますか。もちろん私自身は数学が好きなので、手段として学ぶわけではないです。ただまぁやっぱり漠然とした不安はあります。 ということで質問は以下ふたつです。 ①世間一般の「理系」に数学科生は入るのか? ②入るとして「理系」が重宝される理由は何か? また、大学数学についてはまだ詳しくなく、少し調べたりイメージで語っているので、的外れな質問だとしたら申し訳ないです。加えて、数学の発展無しに社会の発展は無いのも理解しているので、数学そのものの存在意義についての質問ではありません。

回答

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yuya

東京工業大学物質理工学院

すべての回答者は、学生証などを使用してUniLinkによって審査された東大・京大・慶應・早稲田・一橋・東工大・旧帝大のいずれかに所属する現役難関大生です。加えて、実際の回答をUniLinkが確認して一定の水準をクリアした合格者だけが登録できる仕組みとなっています。
まだ社会人経験はありませんが、一通り就職活動を終えた理系院生という立場からお答えしますね🙋 ①世間一般の理系に数学科生は入るのか? 就職に関して数学科生は理系の扱いをされるかどうかですが、結論されます。ただ専門性が被りやすいかは別です。前提として文系学生よりも理系学生は就職活動で重宝されやすいです(理由は後で書きます)。ただその重宝具合は業界によるところもあります。例えばメーカーだとその技術を持った修士卒でなければ受からないというような例は往々にしてあります。かきふらいさんが言うような数学科生の場合はほとんど技術的な知見は持ち合わせていないのでそのような就職は難しいかもしれません。ただこれは一部技術職のみの話であって、専門を必要としない就職の場合でも理系は明らかに強いです。また専門が直接生きる就職先の方が少ないのでその辺りは学科どうこうは気にする必要はありませんよ! ②入るとして理系が重宝される理由はなにか? ロジカルシンキングと仮説試行の経験値だと思います。物事を論理立てて考える能力とそこから導かれる仮説を検証していくというのが研究の基本ですが、ビジネスにおいてもそれは変わりません。またこの力は後天的につきにくい部分も大きいのかなと個人的に感じているのでそういった面を企業に汲み取ってもらいやすいのは理系なのかなと思います。 自分も個人塾を運営したり、教育業界に5年以上関わってきた身としてはかきふらいさんが志望校に合格して自分が体感した数学の楽しさを周りの人にお裾分けできるような人になってくれたらとても嬉しいです。また教育業界に挫折しても無限の選択肢がありますのでそこは心配せず大学に入ってからゆっくり考えてもいいと思いますよ🙆‍♂️ 就活した事がある回答者さんが少ないかなと思いお話しさせてもらいました。もし他に質問あれば答えるのでコメントくださいね✒️
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コメント(3)

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かきふらい
6/23 0:03
回答ありがとうございます。 大変参考になりました。特に②の方ですね。とりあえず将来の不安は緩和されたので、目の前の考査や受験に向けて頑張ろうと思います。
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yuya
6/23 7:05
目の前のことを頑張るのはいい心がけだと思います! また何かあれば聞いてください🙋
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かきふらい
7/20 22:58
追記 先日、東北大学説明会に参加しました。そこで数学科の就職先について紹介があり、そこでは金融機関や保険会社などの数値解析部への就職があったと紹介がありました。この質問を書いた時の、私が心配していたほどの心配は必要無いなと改めて感じました。 追記の必要があるか否かで言えば無い気もしますが、回答していただいた恩と、今後他の方がこの回答が見た時に参考になればいいなと思い書いた次第です。

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数学科 将来
まだ社会人経験はありませんが、一通り就職活動を終えた理系院生という立場からお答えしますね🙋 ①世間一般の理系に数学科生は入るのか? 就職に関して数学科生は理系の扱いをされるかどうかですが、結論されます。ただ専門性が被りやすいかは別です。前提として文系学生よりも理系学生は就職活動で重宝されやすいです(理由は後で書きます)。ただその重宝具合は業界によるところもあります。例えばメーカーだとその技術を持った修士卒でなければ受からないというような例は往々にしてあります。かきふらいさんが言うような数学科生の場合はほとんど技術的な知見は持ち合わせていないのでそのような就職は難しいかもしれません。ただこれは一部技術職のみの話であって、専門を必要としない就職の場合でも理系は明らかに強いです。また専門が直接生きる就職先の方が少ないのでその辺りは学科どうこうは気にする必要はありませんよ! ②入るとして理系が重宝される理由はなにか? ロジカルシンキングと仮説試行の経験値だと思います。物事を論理立てて考える能力とそこから導かれる仮説を検証していくというのが研究の基本ですが、ビジネスにおいてもそれは変わりません。またこの力は後天的につきにくい部分も大きいのかなと個人的に感じているのでそういった面を企業に汲み取ってもらいやすいのは理系なのかなと思います。 自分も個人塾を運営したり、教育業界に5年以上関わってきた身としてはかきふらいさんが志望校に合格して自分が体感した数学の楽しさを周りの人にお裾分けできるような人になってくれたらとても嬉しいです。また教育業界に挫折しても無限の選択肢がありますのでそこは心配せず大学に入ってからゆっくり考えてもいいと思いますよ🙆‍♂️ 就活した事がある回答者さんが少ないかなと思いお話しさせてもらいました。もし他に質問あれば答えるのでコメントくださいね✒️
東京工業大学物質理工学院 yuya
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不安
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学部選択に迷っています。
はじめまして! 就活の経験もありますので、その観点からお話します。 まず、◯◯学部だからこういう仕事には就けないとか不利になるといったことは基本的にありません。 日本はそういう採用体系をとっています。 そのため、こういう仕事に興味があるから◯◯学部という考えは改めた方がいいです。 ただ、研究職や技術職になりますとある程度専門性や免許等が必要になるなどの制限がありますので、そのような職の場合は出身学部等は影響します。 文章を拝読しましたが、いろいろな分野にご興味があるようですね。 それはとても良いことだと思います。 ◯◯学部に入学しても、1,2年生の頃は基本的に教養を深める授業が中心となるため、学部にこだわることなく授業を選択できる大学が多いですし、そういった意味で大学での勉強が楽しくなると思います。 私は教育学部の人間ですが、就活では商社やマスコミ、金融やメーカーなど、いろいろな企業から内定をいただきました。 もちろん、金融の知識も商社としても知識もほとんどありません。それでも内定はいただけます。 それでは、企業は何を見ているのか?というと その人のポテンシャルを見ているとよく言われます。 要するに、会社に入っていろいろなことを知った頃に、能力を発揮してくれそうだなというのを人事が判断しているのです。 そういう意味で、学部にこだわる必要はないかと。 せっかく大金を出して通われる大学なのですから、自分が学びたい関心の強い学問を選択しましょうよ。 それから地元での就職の件ですが、これは人それぞれです。 私の周りでは、大学で一人暮らしして学校に通い、就職は地元で!という人は結構います。 地元の県庁や銀行などが多いですかね。 ただ、地元に有力な企業がないという人はやはり東京に出たり、関西圏に行く人が多いです。 それが日本の人口の首都圏集中の問題につながっているわけです。 つまり、あなたも地元に入りたい!とかここなら安心できる!という企業がないから迷いが生じているのではないでしょうか? 成長意欲が強いと、この悩みをかかえている人は多いです。 端的に言えば、地元を諦めて首都圏や関西圏に出るか、地元の企業等で妥協するかの二択になっているのが現状です。 これが今の日本の状況です。 納得できない気持ちがあるかもしれませんが、あらゆる人がこういった選択に迫られています。 長くなりましたが、まとめますと専門職や技術職を志さない限り、学部は自分の学びたいことを選択していくべきです。 その過程で、就職については考えていくべきでしょう。
東北大学教育学部 まー
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不安
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理系で文系学科を受けたい、数3を取るべきか
こんにちは!現大阪大学経済学部生から回答させて頂きたいと思います。  まず前提として、回答は私個人の意見なので参考程度にお願いします。  数学3を取るか否かについては理系学部を受験するか文系学部受験するか次第にはなると思います。私自身は文系ですが、自分の高校でも理系コースに進みながら、数学3を使わず、文系や看護系に進んだ人も多かった印象です。  次に基礎工と外国語or経済どちらが受かる確率が高いかという話になりますが、個々の適性にもよるので一般的なことは言えませんが、質問者さんの数学3に抱える不安を鑑みると文系受験の方が良いかなとは感じます。  自分は文系なので、詳しくは知りませんが阪大理系は数学3、理科の発展など高いレベルを求められると思います。数学3を学習することで他の科目にかける時間が大きく減るような形ではなかなか理系受験は厳しいかもしれません。  次に倫理政経の独学の話ですが、独学自体は十分可能だと思います。自分の知り合いも文転する兼ね合いで世界史を東進の講座で独学した人がいて、その人はセンター試験世界史9割ぐらいとっていた記憶があります。社会科目は独学しやすいと思うので東進なりスタサプなりで出来るなら全然大丈夫だと思います。ただし、独学は強い意志がないと進まない印象があるので、軽い気持ちで決断するのは良くないと思います。  後個人的な意見ですが経済学部は共通テスト発展理科2つでも受けることができますが、正直2次試験で理科使わないなら社会2つで受けた方がいいと思います。  最後に大阪大学に入る1番の近道になりますが、まぁ入りやすい学部になると外国語学部(マイナー学科)にはなるかとは思います。  外国語学部は配点の関係上求められる共通テストの割合は比較的低いので共通テスト失敗した人でも出願しやすい点や、2次試験の英語の配点が高く、文系の受験生が苦手する数学が出来が良くなくても合格しやすい点などのメリットはあります。ただし、2次試験の英語はかなり難しいので英語が苦手な人は当然厳しいのと、入った後の勉強がある程度、言語や国際文化などに興味を持てる人でないとつまらないとは思います。  経済学部は外国語学部よりは共通テストの割合は求められるますが、A配点(共通:2次=9:1)、B配点(共通:2次=1:9)、C配点(共通:2次=1:1)という面白いシステムもあるので共通テストダメでも2次試験が取れるなら合格出来たりします。  余談ですがプログラミングに興味があるという話ですが、私は経済学部で統計学、データ分析などを専攻し、プログラミングの勉強をしています。基礎工学部がするプログラミングとは違うかも知れませんが、データ分析などのプログラミングは経済学部でも出来るとは思います。   最後に決めるのは質問者さん次第にはなると思いますが一意見として参考にしてもらえればと思います。学校や塾の先生、両親などできるだけ多くの人の意見を募るべきだとは思います。進路についてはじっくり悩んでもいいと思いますが、文転するか否かという決断はできるだけ早くした方がいいと思います。大阪大学に合格できるように勉強頑張ってください。
大阪大学経済学部 K−pon
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受験校選び
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理系は得意じゃないと入ってはいけないのか
こんにちは。 得意不得意はそんなに関係ないと思いますよ。好きこそものの上手なれ、です!理系的思考だなんて理系に進んだ人は大して考えていないですし、きっと勉強中に身についてくるものだと思います。むしろ、文系科目が得意だから、と文系を選び、興味も持てない講義を大学で受け、やりたい仕事に就けないほうが悲劇ですよ!今のことよりも、将来の理想の自分になるためには?と逆算して考えてみましょう。 かくいう私も文理選択時に文系を勧められましたが、研究者になりたかったので理系を選びました。理系の人は逆に文系科目が苦手な人が多かったのでアドバンテージになった覚えがあります。進みたいほうに進んだ人がどのくらいいるのかは分かりませんが、「君にはこれが合っているから」と何も考えずに先生に言われるがまま進んだ人は大学に来てやりたいことがなくてむしろ困ってましたね。 生物選択だったので物理はごめんなさいなのですが、手っ取り早く偏差値を上げたいなら模試や定期テストの結果から自分の苦手を把握して、基礎から洗い直してみましょう。伸び代はすべて苦手な場所にあります。苦手な場所って単なる食わず嫌いみたいな部分も多いので、案外とちょっと勉強すればすぐに得意に変わったりしますよ!数学ですと、自分が解けるか溶けないかのギリギリラインの問題を数多く解いてみましょう。良い問題を解くのも大事ですが、数学は数をこなすことで成長する面も大いにあります。 pocoさんが自分に後悔のない選択ができることを願っています。勉強頑張って下さいね!
名古屋大学農学部 Lili
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不安
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理系なのに理系科目ができないからもう文転した方がいいか迷っている
こんにちは。 結論からいうと私は理系のままいることをお勧めします。 まず、理系科目(特に数学)は文系科目と違って勉強したことがすぐに結果に変わるわけではありません。私も数学に力を入れてから模試で結果が出るまで半年ほどかかりました。すぐにできるようにならなくても焦らずコツコツ勉強しましょう。 また、私立は文系学部を受けるとのことですが、理系の方が有利であると思います。私は理系ながら慶應の経済学部を受験しました。文系学部受験で数学を使うとき、理系であると数3もある上、文系の人よりも数学に使う時間が増えるので文系のライバルに比べて有利になります。 あとは自分の気持ち次第です。受験が終わった後に、悪い気持ちが残らないように頑張ってください。
慶應義塾大学理工学部 Eri
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理系の学部はどんなものがあるのか
こんにちは。今回はわたしがよく知っている二学部について紹介します。東大基準なので悪しからず。 理学部 実験。生物学科は解剖実験。地学系学科は実習で実際に地質を学んだりします。授業では物理や化学など、高校で習うものよりずっと深いところを勉強します。 そして意外に思われるのですが、ほとんどの学科でプログラミングを学びます。 工学部 プログラミング。理論系は情報処理、解析などを学びます。機械系は実際に回路を組んだり、いろんな機械を作る実習などをしています。宇宙工学、化学工学など多彩な分野に分かれていて、東大では建築学科も工学部に含まれています。工学では応力などの「(機械等の)設計に関わる物理」を学んでいる印象です。 理学部も工学部も、統計を学びます。情報を処理する上ではとても重要で、社会に出てからも確実に役に立つと思います。 また、プログラミングをやっておけば就職に強いとも聞きます。在宅ワークの選択肢も広がります。 東大なら、大学に入って講義を受けてみてから興味のあるところに進めば良いですよ!と言えるのですが……高校生のうちから不可逆的な選択を迫られると悩みますよね…。
東京大学理科一類 ふね
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受験校選び
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理系科目の適性がないし、浪人しよかな
才能の話は難しいですね。 考える力は先天的な要因と環境的な要因で構築されるっていう見解が一般的ですね。理系で大学に入った後は「答えのない問いに回答する力」が必要になりますが正直大学の受験数学に関しては「正しい答えを導く力」が問われているのでさほどセンスは気にしなくていいでしょう。 自分も理系科目はそこまで得意ではありませんでした。ただ計算が人より早かったくらいでしょう。思考力は他の人には到底及ばないと感じます。 長々話してしまいましたが論点は「理系科目について点数が伸び悩んでいることを」だと思います。こうしたらいいという正解はYKさんを知らないので提示できませんが、最低限どうして苦手なのか、何が苦手なのかを正確に把握することは大切だと思います。 例えば数3の微積が苦手でない理由はなんででしょうか。逆に複素平面が苦手なのはなぜでしょうか。 今まで与えられていたものをこなす作業だったと思いますが、何が必要か、何がしたいかを探すことは大切ですよ。親や先生に与えられた考え方、進路、解き方に従うのはすごく楽です。ダメでも他の人の責任にできますし自分で考える必要がないからです。ただ僕はその生き方はダサいと思いますし、浪人をしてでも自分自身について深く知った人の方が大学に入ってからの生活が豊かになります。 勉強をすることに加えて自分のしたいことを考えろというのは受験生にとっては酷かもしれませんが、その進路を選べば何が出来るのかということは教えられます。 もし質問があれば個人的にでもこちらの返事でもいいので聞かせてください。
東京工業大学物質理工学院 yuya
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不安
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数学を学ぶこと
 私もよくわかりません。ただ、税金や金融、性教育等他に教えなければならないことがたくさんあるのは否定しませんが、かといって数学が全くの不要であるとも思えません。これらに関しては、何とも言いようがない感じがしてちともどかしいですね。まぁ、「数学を学んでよかった」と思ったことはあまりありませんが、「数学なんて学ばなければよかった」と思ったことは一度もありません。なので、今のところは、勉強したい人だけ勉強すれば良いんじゃないでしょうか。数学を勉強しなかったらしなかったでツケは自分に回ってくるし、そんなツケなんて回ってこなければそれはそれで良いわけですし。「数学なんて必要ない」とかいう言葉は、数学ができなくて逃げてしまった人たちがそれを正当化するための言い訳として言っている可能性だってあるわけですしね。 これで終わるのもアレなんで、一応、数学を学ぶ必要性があるという体で、その内容についてむりやりにですが考えてみました。興味があればどうぞ(長いのでご覚悟を)。 『「学問はそんなに勉めなくても人物が出来れば」などというは、教育を知らぬ人のいうことである。そんな人は何を人物と見るのか知らぬが、学問に対する努力は大いにその人を成す所以であることを忘れてはならぬ。知識の量だけを矢鱈に増すことは、一種の道楽で、馬が上手とか、芸があるとかいうに止まる。しかし知力を発達させて、判断がよく出来たり、識見が高くなったりすることは、人物を成す所以である。』(鈴木大拙)  先月でしたか、この言葉に出会いました。私はとても感銘を受けました。というのも、大学に入ったところで高校時代とあまり変わりませんでした。司法試験も今は予備校産業が盛んで、合格者の90%以上は予備校出身という現状です(数値高すぎ)。私は昨年の夏頃、一冊の本に出会い、一人の法学者(その本の著者)に憧れました。と同時に、世に言う「試験のための(効率的な)勉強」というものに嫌気がさして、本当に学問をするということについてあれこれ考えあぐねていました。そんな時にたまたま出会ったのが上の言葉であり、大いに教訓を得るとともに共感もしたからです。  たしかに、微積とか集合とか、実生活で全くお目にかかりませんし、入試が終わってから一度も触れていません。「数学なんて必要ない」と言いたくなる気持ちもわからないではないです。しかし、そのようなことを言う人たちは、そういった数学上の細かな知識を得ることが数学という学問の眼目なのだと勘違いしている人たちではないでしょうか。数学を学ぶ意義は、もっとマクロな次元のもので、数学を通してものの考え方を身につけることにあるのではないかと思います。  雪の研究で有名な中谷宇吉郎は、世界で初めて人工で雪の結晶を作った人です。その研究拠点(常時低音研究室)は、われらが北大にありました。彼の著書『科学と人生』にも次のようなことが書いてあります。すなわち、科学によって得るものは二つ、一つは科学上の知識であり、一つは科学的なものの見方である。より重要なのは後者の方であって、これはどの職業に就く人にもどの階級の人にも役に立つ、と。では、科学的なものの見方とは何であるかというと、①自分の周囲にあるものを、自分の目でよくみること、そして②腑に落ちないことがあれば「はてな」と疑問を持つこと、③その疑問の解決のためにいろいろ実験をしてみること、④その結果を受けて「あぁ、そうだったか」と自分が納得すること、⑤続いて「それでは」と次なる疑問を持つことであると書かれています。  果たして数学は科学であるかという問いには、人によって回答が分かれるみたいですが、科学の性質が、一つは「ある事柄について考えたり調べたりする時、その方法が同じならば、いつ・どこで・誰であったとしても、同じ答えや結果にたどり着く」という再現性に、今一つは因果関係がきちんとあるということにある(https://sci.kyoto-u.ac.jp/ja/academics/programs/scicom/2015/201602/04)というならば、数学もまた科学であると言わざるを得ません。ならば、数学を学ぶ意義は、やはり数学的なものの見方を学ぶことにあると言えるでしょう。  では、数学的なものの見方とはいったい何でしょうか。受験生時代、河合塾の『文系の数学 実戦力向上編』を使っていました。あれの最初のページ(一般的な参考書で「はじめに」に当たる部分)に、料理と数学は同じであるということが書かれています。ネットで全文読めますが、一応以下に一部抜粋しておきます。 「料理を作るためには,包丁や鍋といった道具,そしていろいろな調味料が必要です.数学の問題を解くためには,いろいろな公式や定理といった"道具"が必要です.料理をおいしく作るためには,道具を使いこなす技術が必要です.そして,どういう調味料をどのように使えば最高の味になるかを考えながら料理を仕上げていくのでしょう.数学の問題を解くためには,公式や定理を状況に応じて使いこなす技術が必要です.いくつかの解法が存在する場合には,最適な解法を選ぶ力も必要です.また,様々な問題を演習することで実戦力が磨かれ,複雑な設定の問題なども論理的に分析して解くことができます.」 要するに、重要なのは公式や定理を使いこなす技術であって、公式や定理を知っていること自体が最上なのではありません。そして、ここに書いてある内容は、先の「科学的なものの見方」にやはり通ずるものです。①問題で与えられた具体的条件をよく観ること。②「この問題に使える公式や定理は何だろうか」「どういうアプローチで進んでいけば良いだろうか」と疑問を持つこと。③そして、実際に解いてみること。そのままではどうにも扱いづらいのだったら式を変形したり図形に補助線を引いたりしてみたらどうか、使えそうな公式や定理を実際に使ってみたらどんな結果が得られるかなど、これは一種の実験と言えます。④それで解けたら解けたで良いし、解けなければ自分が納得するまで解答や解説を読む、⑤そして最後に、「今度はここをこうしたらどうなるだろうか」という次なる疑問に進むこと。類題と呼ばれるやつですね。こういった、ある問題に対する解決の糸口を導く過程が、数学的なものの見方につながるんじゃないでしょうか(まぁ、こういったことを考えた上で数学を勉強している受験生なんて、ほとんどいないのでしょうが。)  例えになっているかわかりませんが、法律学の基本中の基本事項に、「法的三段論法」というものがあります。「法的」なんて言葉が頭についているものだから、なんか専門的な感じがする。しかし、なんてことはありません。簡単には、法律の条文(大前提)を現実の具体的な事実(小前提)にあてはめて結論を出すという論法に過ぎません。私がまだ初学者である故の疑問かもしれませんが、問題で与えられた具体的条件に公式や定理を当てはめて答えを出すという、数学上の三段論法といったい何が違うのでしょうか。もちろん、法律の条文は年々改正され、また書かれている言葉の意味の捉え方も人によって異なる場合がある一方、公式や定理は常に一定不変である点で、法律学と数学とは大きく異なります。しかし、これは条文と公式・定理の性質の違いに過ぎず、三段論法という論法自体に大きな違いがあるわけではありません。だとすれば、法律上の問題も、数学的にものを考えてみれば、未学者とて全くのとりつく島もない問題というわけではないでしょう。  だから、最後に一言でまとめると、数学を学ぶ必要性は、ものの見方や考え方を学ぶことにあると思います。
北海道大学法学部 たけなわ
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理系数学
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理学部生物科から製薬会社の研究職になるには
私は理学部ではありませんが……生物系の者として聞きかじった情報を少し。 名大には薬学部が存在せず、大学院として創薬系の研究室があります。名大からの内部進学者としては理学部と農学部だった人が半々(理学部の方が多め?)くらいだそうです。 製薬系に就職された先輩のお話では、製薬会社の研究職には大きく分けて臨床と新薬開発があり、新薬開発は薬学部や創薬系の研究室などで専門的な知識や技術をすでに持っている人が多かった一方で、臨床はこれまで薬学にはあまり関わったことのない人もいたそうです。 新薬開発のような高度な専門職ならまだしも、植物系の研究室だから植物関連の職場に、動物系の研究室だから動物関連の職場に、ということはあまりなく、臨床研究であれば創薬系出身でなくても就職可能ではないかと思います。自分自身の専門分野ではないため、あまり確証がなく申し訳ありませんが、こういう話もあるんだな、程度に思っていただければ幸いです。 以上を踏まえた上で、創薬研究がしたいとなると、一番必要になる知識は有機化学でしょう。なぜ有機化学?と疑問に思われるかもしれません。ですが、薬に含まれる有用成分は突き詰めれば有機物であり、どのような化学構造を持てば病気に対して有効なのか?そしてそれをいかに簡単に合成できるか?という部分が新薬開発の根幹だと思います。 もちろん、例えば生体防御学では病気とそれに対する免疫機構などを学ぶことができますし、生物の知識も役に立つでしょう。理系学部であればある程度の授業は必修授業として定められており、多少でも化学よりの学科であれば有機化学もあると思います(私の学科でも有機化学が必修でした)。独学で有機化学を勉強するのはかなり厳しいと思いますので、そのあたりを確認しておくのが良いかと。 話が長くなってしまいましたが、結論としては、基本的に学部で学べる内容はその後の基礎になる内容ですから、院試を乗り越えればそこから応用として院で薬学を学ぶのも可能だと思いますよ。
名古屋大学農学部 min
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受験校選び
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数学科 将来
勘違いしてほしくないのですが、私たちはそこらへんにいるただの大学生です。つまり、キャリアの「キ」の字を今から積んでいこうとしている青二才です。そういった、就職に関する不安などは私たちが一番大きく持っているし、就職に関する情報は私たちが一番知りたいです。なので、私たちはあなたの質問の相手としてはあまり適切ではないと思います。学校の先生か、親か、現に仕事をしている大人の方たちに聞くのが一番ではないでしょうか。 一応、文科省と厚労省の調査データをおいときます。具体的な類別まではわからないので、気休めですが。 ①「令和4年度大学等卒業者の就職状況調査(令和5年4月1日現在)」 https://www.mhlw.go.jp/content/11805001/001070503.pdf ②「令和3年度大学等卒業者の就職状況調査(令和4年4月1日現在)」 https://www.mext.go.jp/content/20220517-mxt_gakushi01-000022676_1.pdf ③「令和2年度大学等卒業者の就職状況調査(令和3年4月1日現在)」 https://www.mext.go.jp/content/20210615-mxt_gakushi01-000014540_01.pdf ④「令和元年度大学等卒業者の就職状況調査(令和2年4月1日現在)」 https://www.mext.go.jp/content/20200610-mxt_gakushi01-000007853_1.pdf
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