東大志望だけど低偏差値
UniLink利用者の80%以上は、難関大学を志望する受験生です。これまでのデータから、偏差値の高いユーザーほど毎日UniLinkアプリを起動することが分かっています。
みりん
私は東大文Ⅰ志望の高校1年です。私の通っている高校は、偏差値が52くらいの公立高校です。公立入試の点数は偏差値60の高校のボーダーくらいでしたが、訳あってこの高校を受けました。すごく難しいけど、私は絶対に東大に行きたいです。(浪人も覚悟しています。)ですが家の事情もあり、できるだけ現役で受かりたいです。
東大は特に基礎が大事などと聞きますが、基礎を固めるにはどのような勉強をしたら良いのでしょうか?
基礎レベルの問題集を何回も周回してすべて〇になる頃には基礎は身についていますか?また、私の代から新課程で、共通テストに情報が追加されるなどがあるみたいですが、そのためにやっておいた方がいいと思うこと等ありましたら是非教えて頂きたいです。よろしくお願いします。
回答
たけなわ
すべての回答者は、学生証などを使用してUniLinkによって審査された東大・京大・慶應・早稲田・一橋・東工大・旧帝大のいずれかに所属する現役難関大生です。加えて、実際の回答をUniLinkが確認して一定の水準をクリアした合格者だけが登録できる仕組みとなっています。
書店などで、買わなくてもいいので、東大の過去問を見てみるといいですよ。そんなに気負わずに、「どんな問題が出るのかな~」みたいなノリでもいいので。ネットでも調べたらいくらか出てくると思います。んで、実際見てみるとわかりますが、東大の問題ってやはり難しいんですよ。さすが日本一の大学といわれているだけあるなって感じです。すでに習った範囲の問題でも、まったく訳が分からない問題や解いてみようなんて気も起らないような問題ばかりに感じると思います。高1の時に学校で配られるような基礎レベルの問題集の問題とは明らかに難易度がかけ離れています。すると、「あれ、基礎が大事だというのに、基礎レベルの問題集で固めても全然太刀打ちできなくね?」という懐疑が生まれてくると思います。
さて、ここで、「東大は基礎が大事」だということの意味は一体何なのか、考えてみましょう。先ほど書いたように、東大の問題は難しいです。しかし「基礎が大事」であるというのはその通りです。例えば、国語。京大の国語と東大の国語を解き比べるという補修を高2の時に受けましたが、大きな違いとして、記述量に差があります。実際に同じサイズで書いてみると一目瞭然ですが、京大の場合、解答欄はだいたい14cm×5行が平均的であるのに対し、東大は2行とかです。一問だけ120文字とかありますが、それ以外は他に比べて解答欄が明らかに小さい。その分、解答の核となる部分だけをしっかり突いていかないと、そもそも点が取れないわけです。他にも、数学。有名な問題を挙げると、sinθとcosθの定義と、それに基づいて加法定理を証明させる問題が1999年に出ています。教科書をみれば直で書いてある内容を問題にしたんですね。また、「任意の正の実数 x,y に対して √x+√y ≦ k √(2x+y) が成立するような実数 k の最小値を求めよ。」という問題が1995年に出されました。一見、何をすればよいかわからないような問題ですが、まず左辺が正であるため右辺も正でなければならず、かつ √(2x+y) が正であることから、実数kも当然正(k>0)でなければならないことが分かります。次に、変数が2つあっては扱いずらいので、変数を1つにするために両辺を √x (√x>0 より)で割るという工夫ができます。そして、1つになった変数 √y/x を t (tはもちろんt>0)とでもおいてやれば、与式は 1+t ≦k√(2+t^2) となり、両辺が正であるからこれを二乗して、(1+t)^2 ≦ k^(2+t^2) となる実数 k について考えればよいことが分かります。整理すると、t の二次不等式となるので、これを満たす k の範囲を求めることで最小値がわかるという、二次関数の解の配置問題に最終的には帰着するわけです。言われてみれば、k が正であること、変数を減らすという工夫、二次関数の解の配置問題、これらはいずれも1年生で学ぶ基礎の範囲です。まあでも、そんなこと言ったってこんな問題全然難しいじゃないか、と思いますよね。
結局何が言いたいかというと、「東大は基礎が大事」だということの意味は、「その問題に隠れている『基礎』が何なのかを見抜く力」と、その「基礎の使い方」が大事だということです。とすれば、「基礎が身につく」というのは、こういうことも全部ひっくるめて「基礎が身につく」ということになります。基礎レベルの問題集を何回もやっていれば、そりゃそのレベルの簡単な問題は解けるようになるかもしれませんが、しかし基礎レベルの問題を解くために必要な「基礎」と、難しい問題を解くために身に付けるべき「基礎」は違います。基礎レベルの問題ばかりやっていても、本当に身に付けるべき基礎、すなわち基礎を見抜く力とその基礎をどう使うかといったことまでは学べません(特に後者)。上のレベルの問題をやることによって、「あ、これってこういうことだったのか」とはじめてわかることだってたくさんあります。なので、基礎を固めるためには基礎レベルのものばかりでなく、時々でもそれより難しいレベルの問題にも手を出すべきであって、大事なのは基礎レベルと応用レベルの「反復」だと私は思います。(あくまで私個人の意見ですから、ご期待にそう内容でないかもしれませんが、ご容赦ください。)
新課程のことについては、学校の先生方が一番詳しいでしょうから、そちらに聞いていただいた方が確実だと思いますので(というか、少なくとも私は何も知らないので)、ここでは控えさせていただきます。
コメント(6)
たけなわ
訂正
「これを満たすkの範囲を」
→「これを満たす実数tが存在するようなkの範囲を」
たけなわ
再訂正
「これを満たす実数tが存在するようなkの範囲を」→「これを満たす正の実数tが存在するようなkの範囲を」
「√y/x」→「√(y/x)」
補足:数学の二つめの問題について
式を整理すると、(k^2-1)t^2-2t+2k^2-1≧0という不等式が得られます。左辺をf(t)とおくと、t>0の範囲でつねにf(t)≧0となるようなkの値の範囲を求めることになります。
(i)k=1のとき、f(t)=-2t+1となり、f(t)は単調に減少する一次関数の直線となります。このとき、t>1/2の範囲でつねにf(t)<0となるため、条件を満たしません。よって、k=1は不適です。
(ii)次に、k≠1のとき、t>0でつねにf(t)≧0となるための条件は、二次方程式f(t)=0の判別式DがD≦0であることです。tの係数が-2と偶数なので、D/4で考えると、D/4=1-(k^2-1)(2k^2-1)となり、これが≦0となる不等式をたてて整理すると、最終的にk^2(2k^2-3)≧0となります。最初に確認したように、k>0ですから、当然k^2>0となります。なので、≧の要素は2k^2-3がもつことになり、したがって2k^2-3≧0を解いで得られた範囲と、k>0との共通部分がkのとりうる値の範囲となり、k≧√(3/2)が得られます。
以上より、求めるkの最小値は、√(3/2)、(なぜか有理化する必要はないみたいですがあえて)有理化すると√6/2となります。
より詳しく正確な解答は、『数学IAIIB 上級問題精講』に載ってますので、時間のあるときに書店などで参照してみてください。(同じ難易度帯の他の問題集にも載ってるものがいくつかあると思います。)
たけなわ
補足追加
確か、この解法の他にもいくつか別解があった気がしますので、調べてみると色々出てくると思います。上で書いたのは、上級精講で学んだものです。同書にも別解が載っていた気がしますが、どんな解き方だったかもう忘れました。上のものも記憶を頼りに書いたので、間違いがあった場合は申し訳ございません。
𝚂 𝙰 𝚁 𝙸
ありがとうございます。基礎が何なのかを見抜く力ですか…やっぱり東大は伊達に日本一の名を背負っている訳では無いですね。。とりあえず簡単な問題集を完璧にしたあとで難しめの問題集もやってみようと思います。回答ありがとうございましたm(_ _)m
たけなわ
ここでは挙げませんでしたが、東大文系は社会を2科目受験する必要があり、日本史と世界史(地理はわかりません)では論述問題があったと思います。これも、基礎的な用語や知識をどのように使うのかに関わってきますね。東大突破へ向けた旅は前途多難でしょうが、めげずに頑張ってください。
たけなわ
何度もコメントすいません。何度検証しても、上で書いた解答にはところどころに間違いがあるので、解答の方針以外は無視してください。具体的な例を言うと、0<k<1の範囲ではy=f(t)のグラフが上に凸の放物線となってしまい、問題の条件を満たさないということ、など。解答がk=√(3/2)であることは確かなのですが、他にも間違いがたくさんあると思うので、正確な解答は上記の問題集やネット等を参照してください。誤った解答を書いてしまったことにつき、申し訳ございません。