物理化学か生物化学か
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ミム
東大理科二類に進学したい高一です。
今高校では生物と物理を履修しているのですが、東大理科二類(特に薬学部)においてどちらの方が有利とかありますか?また、模試などでどちらの方が高得点になりやすいとかありますか?
回答
ホルムンクス
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こんにちは!
現在東京大学理科二類に通っています。ホルムンクスと申します。化学生物選択で東大を受験した私の経験をもとに、物化or化生のそれぞれのメリット・デメリットについてお伝えしたいと思います。よろしくお願いいたします。
まず化学生物選択についてです。全国的に見て生物選択は物理選択に比べると圧倒的に少数派のため、参考書の種類や塾で開講される授業、ネットに流布する勉強法が数少なく、どのような勉強が正しいのか分からず、勉強法を定めるのに苦労しました。また、私の学校での生物選択者も少なかったので、友人に相談することも中々出来ませんでした。 そのため、自分から先生に積極的に相談しに行ったり少ない情報をかき集めたりする必要があります。
そして東大の生物の問題についてですが、問題量・記述量が圧倒的に物理より多いです。東大の生物は非常に深い考察を要するので(それが醍醐味ではありますが)、全ての問題を解ききるのは不可能に近いです。そのため問題の取捨選択をいかに上手く出来るかが鍵を握ります。そのため満点を取りに行くのではなく、30~40点の安定した点数を取りに行くことを目指すという形になります。また、模試では受験者数の母体が少ないので、偏差値などは物理よりはあてになりにくいです。
ここまでデメリットを長々と述べて来ましたが、もちろん多くのメリットもあります。まず第1に、内容がとても面白いです。(これは個人によるかもしれませんが)私は生き物全般やバイオテクノロジーなどに興味があったため、生物の勉強がとても楽しかったです。また、記述を指定の行数に収めるために文章力が養われ、東大の国語や英語にも役立ちます。そして生物は1度波に乗ればその後は得点が安定しやすいです。他には、東大に入ってからの話で、理科二類と理科三類には必修で生命科学という授業があり、これは高校で物理選択の人向けにほぼ高校範囲の生物+α程度の内容のため、テストで無双できます。また、力学も必修にありますが、こちらは力学A(高校で物理選択の人向け)と力学B(高校で生物選択の人向け)というように別れていて、力学Bは高校範囲の物理を少し深くやるといったものなので、置いていかれる心配はありません。このように東大の理科二類にはいってからは生物選択でむしろ得をする方がおおいです。(あくまで私の見解です。)
次に物理化学選択についてです。物理化学選択は理系のなかでも最大勢力で、理系といえば物化選択といった感じです。そのため参考書や講座なども生物より充実していますし、いわゆる物理の「黄金ルート」的なものも存在します。よって勉強を進めて行きやすいのは物理選択でしょう。東大の問題についても恐らく生物よりは時間がかからず、人によっては満点近くを狙いに行くことも可能です。
逆にデメリットとしては、物理では先の小問で出た答えを後の問題で使うということが往々にしてあり、最初に間違えてしまえば芋づる式にその大問全体を落としてしまうということです。物理はこれがとても恐ろしい側面だと思います。東大に入ってからは、物理選択者は先程述べた生命科学で苦しむことになります。(生物選択の人が作るシケプリを見れば何とかなります)しかし、化学熱力学という必修の授業では熱力学の基盤がある物理選択が少し有利でしょう。
ここまで述べてきたように、物化選択・化生選択にはそれぞれのメリット・デメリットがあり、どちらが有利不利というのは非常に難しいです。私が生物選択に決めたのは、やはり生物が好きだからです。東大に入るために勉強していて飽きない、楽しく勉強できる方を選びました。少数派であることを覚悟して生物を選択しましたが、東大に入ってみると数百人もの生物選択がいて、杞憂に終わりました。
最後にはなりますがどちらを選ぶにせよ、東大に入るための根気強い勉強をすることには変わりません。質問者様が後悔しない選択をなさることを願っています。ありがとうございました。
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