社会科学部の日本史
UniLink利用者の80%以上は、難関大学を志望する受験生です。これまでのデータから、偏差値の高いユーザーほど毎日UniLinkアプリを起動することが分かっています。
ああ
早稲田大学社会科学部を受験する高3です。
今9年分の社学の日本史を終えました。
2022 17平均点21
2021 26 23
2020 28 21
2019 24 22
2018 26 17
2017 27 18
2016 27 20
2015 32 21
2014 26 25
※2015年に関してはただ運が良かっただけす。
これは復習しててそう思いました。
こんな感じでほぼ平均、ましてや大幅に下回った年もあります。
日本史の知識については、12月29日に東進の校舎で「日本史千題テスト」という、記述で教科書の虫食い的な感じで、難しい問題も出る試験で、校舎内3位でした。
一問一答の知識はついてるはずなんですが、どうしてか選択肢がほとんど3つ残ってしまいます。
特別な解き方はないと思いますが、単純な一問一答の知識だけでは対応できないのが社学なんだと4、5年といたところで痛感しました。
そこで、この冬休みでは、用語の前後の文章に書いてある説明的なところもしっかり読むようにしています。
たとえば、「京都で起こった、島津久光の意見に従わない尊攘派に対して行われたのが」寺田屋事件のように、カギカッコをつけた、日本史用語でない部分を注意して読むということです。
いままではサラッと読み流す程度で「寺田屋事件」と答えることに意識が偏っていたからです。
効果はあまり見られません。そんなにすぐでるもんじゃないんでしょうか。
上記のような勉強法で間違ってないですか?
直前期に全く点数が伸びず、あろうことか下がって、平均を下回ってしまいました。
正直日本史は高校に入ってからたくさん勉強して、得意だと思っていたのでショックです。
僕は日本史は直前まで伸ばせると思っています。まだ諦めていません。たとえいくら平均点を下回ろうとも不屈の精神で頑張ろうと思っています。(ショックではありますが)
ですが、時間はもちろん有限です。
そこで難関大に合格された皆さんの知恵をお借りして、少しでも効率的に点数を伸ばしたいです。
お願いします。
回答
kobayash
すべての回答者は、学生証などを使用してUniLinkによって審査された東大・京大・慶應・早稲田・一橋・東工大・旧帝大のいずれかに所属する現役難関大生です。加えて、実際の回答をUniLinkが確認して一定の水準をクリアした合格者だけが登録できる仕組みとなっています。
ああさん、お久しぶりです。今回もまた日本史について、エビデンスベースで回答していければと思います。
本回答は以下の構成でお伝えしていきます。
①用語の説明文まできっちり覚える勉強が適切かどうか
以上1点です。
①用語の説明文まできっちり覚える勉強が適切かどうか
結論、適切です。
早稲田の正誤問題の本質はまさにコレです。
寺子屋事件の例に出せば、早稲田(特に社学では)「京都」を「大阪」に、「島津久光」を他の人名に、「従わなかった」を「従った」(従ったに変えると文脈がおかしいですが、用語と言われる部分以外にも引っ掛けポイントがあるということを例示したい)に変更して引っ掛けてきます。
ただし、1000題テストで3位取れるという事実を参考に、今回はもう一段階深いアドバイスをさせていただきます。
それは教科書メインで勉強して欲しいというアドバイスです。
しかし、前提条件があります。
a.教科書に抵抗がない
b.英語国語の学力が問題ない
です。
一問一答だけで勉強しているなら教科書に今から取り組むのはかえってリスクなので以下のアドバイスはBのみ参考にしてください。
今回は早稲田2022年社学の問題を引用します。
まず、社学に特に顕著な傾向として、
A.「教科書にしかない記述」
B.「出来事の時代の出題」
2点があります。
まず、Aです。
大問I.問3の女性に関する問題です。この問題(恐らく選択肢ホの雑さゆえ)は受験者全員が正解になった問題ですが、一問一答だけで勉強してると判別できない文章の良い例なので、それぞれの選択肢を山川教科書を元に考えてみます。
イ、山川教科書P52L12に「女性の発言力が強かった」とあります。よって誤
ロ、山川教科書P52L9に「夫婦としていずれかの父母のもとで生活」とあります。よって正
ハ、山川教科書P52左下画像『村上遺跡』の注釈に「竪穴式住居数棟〜(中略)〜単位が多数集合して村落が形成されていた」とあります。よって正
ニ、山川教科書P52「律令では中国の家父長制的な家族制度にならって父系の相続を重んじたが、一般民衆では(以下略)」とあります。律令と民衆生活の実態の乖離があったことがわかるため、誤
ホ、この選択肢のせいで問題破綻したので説明省略^_^
このように、早稲田が明らかに山川教科書から問題を作成していることがわかるかと思います。これら選択肢以外にもこのP52の中でいえば、「夫婦は結婚しても別姓」「自分の財産を持っていた」ことも覚えておくべきです。(私の教科書に出題有との記載があるので、過去どこかの学部でも出ている)
恐らく、赤本でも難問とは書かれないレベルですが、受験生には難問に感じる問題です。しかしながら、早稲田社学を目指すなら過去に出題もありますし、取っておきたい問題だと私は思います。
B.「出来事の時代の把握」
ここでは2022社学大問4問10の法律成立時期に関する問題を考えます。
これは正誤でもなく全選択肢単語ですが、どの法律が平沼内閣で成立したかを問う問題です。一問一答だけだとかなり難しいと思います。仮に何年に成立したか分かっても、どの首相だったかまでは難しいです。(戦時中の内閣はコロコロ入れ替わるから)戦時中において、どの内閣でどの政策やどんな戦況だったかは頻出です。(戦時中以外も政策や出来事がどの為政者の時だったかを問う問題はかなり多い)ゆえに、社学志望なら取っておきたい問題です。
したがって、それぞれの出来事がどの為政者の時かまで整理して覚えると点数アップが見込めます。
以上が私からのアドバイスです。
一問一答の説明文まで覚えている途中とのことで、すぐには成果出ないかと思われます。
だんだん成果が出ます。
アドバイスbは、一問一答で勉強していくにしても必ず意識してください。比較的成果に直結しやすいと思います。
いまは、一答から一問を繋げている最中かとおもいますが、並行して、一問と一問も繋げていきます。ここまでできれば平均点プラス2割は確実に安定します。
それでは、勉強応援しております。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント(2)
ああ
社会科学部の日本史関連で追加で聞きたいことがあります。時間があれば回答してください。
社会科学部に似たような形式の問題でたくさん練習したいんですが、どこの大学の何学部が最適でしょうか。
社会科学部と教育学部、商学部は受験するため10年以上解いてしまいました。
そのため上記三学部以外で教えていただきたいです。
お手数おかけして申し訳ありません。
kobayash
コメントありがとうございます。
社学に最もよく似た学部は、商、教育なのですが、それらは既に10年分終えたとのことですので、次の学部に移りましょう。
具体的には、法、人科、文構、(文)
の4学部です。
政経と国際教養は現在、日本史の試験を行なっておりません。数年前に遡れば過去問は存在しますが、一問一答的な問題がかなり多く、正誤の練習にはなりません。社学では一問一答問題がひとつも出題されないわけではないですが、これら2学部の問題は、東進一問一答で十分習得できる知識orあまりにも難問で覚える必要のない知識のどちらかなので、わざわざ過去問を時間をとってやる必要はないかなと思います。
また、文学部をカッコとしたのは、出題分野が他と大いに異なるからです。大問1では、原始や縄文時代、最後の大問では美術史が毎年出ます。しかしながら他学部ではほぼ出ません。ゆえに優先度は最も低くなります。やらなくても問題ありません。
この4学部はそれぞれ10年やれば40年分あります。一日1つやって受験にピッタリくらいだと思います。終盤は実力がついて復習量が減り、一日2つできるようになると思います。
ちなみに、他大学の過去問ではなく、早稲田の過去問だけを指定したのには2つ理由があります。
①年度、学部を跨いで同じような問題、選択肢が出るから
50年.60年と解いていくと、他学部や他年度で出題された問題が再び出題されることに気づくかと思います。選択肢もほとんど同じような文章なのを見かけます。
「早稲田」の好きなテーマが、だんだんと鮮明に見えてきます。この感覚はやれば分かります。
私が、『早稲田の日本史』という参考書を買わずに、過去問をとにかく大量に解けと様々な人に言っているのはこれが理由のうちの1つです。再度同じ選択肢、問題に出会った時の感動が薄れるからです。感動が無いというのは、どこのテーマを出したいのかを真に把握できないということです。
そして、できれば過去問復習の際、出題された問題の選択肢を(5選択肢全て)、自身の一問一答なり教科書の該当部分に印を付けてみてください。(例:寺田屋事件に関する選択肢が出たら、教科書、一問一答の寺田屋事件の所に印)
明らかに、印が多くつく分野、ページ、文章が現れると思います。何度も何度も何度もおんなじ事を問題にしてるのが分かるはずです。わかった瞬間があなたがブレイクスルーした瞬間です。
②同一年度の問題が他学部で利用されることに気づくから
早稲田では、A学部の試験で出題された問題が同じ年(ここ重要)のB学部の問題のヒントや答えになる事がほぼ毎年起きます。ちなみに偶然ではなく必然です。
2022年度でしたら、教育の大問4の文章と商の大問5問Dがそれに当たります。
商の問題はやや難といったところでしょう。
誤文を一つ選ぶ問題ですが、一見、すべて正文に思えるからです。ゆえに一度そう思うとすべての選択肢に疑心暗鬼になります。
2は「渡良瀬川」かどうか
3は「衆議院議員」かどうか
4は「命じなかった」かどうか
5は「議員を辞職」したかどうか
この辺が怪しく見えてくるのです。
しかしながら、商学部の直前日程に行われた教育学部の試験で足尾銅山に関する問題とそれに伴う文章が出ています。これを読むだけでも商の問Dの選択肢1.2.3を自信をもって切れます。そして、教育でこれが出た時点で山川教科書P307を開き、コラムを読みます。(ちなみにこのコラム頻出です)そうすれば、田中正造は辞職している事、政府は予防措置を命じていることから選択肢4を選べるわけです。
またこれは教科書が商の問題の「ヒント」になったにすぎませんが、直接「解答」になる時も存在します。
2020年の商と社学の問題です。
2020年社学の大問2問2は七道に関する問題ですが、いわゆる悪問とされています。教科書にも一問一答にも一切記述のない極めて難易度の高い問題と言えるでしょう。きっと多くの受験生は鉛筆を転がすことになったかと思います。しかしながら、早稲田がこの問題で本当に問うているのは、「どの道が大路か」ではありません。
「早稲田愛」なのです。
社学の前日に行われた商の問題の大問1の文章を見て下さい。驚くべきことに、七道に関する記載、つまり大路、中路、小路に関する記載が詳しくあります。
「あなたはちゃんと昨日の商の問題復習しましたか?」「早稲田に入りたいならそれくらいしてるよね?」ということなのです。
少なくともこの問題に関して、悪問だと決めつけ(悪問ではあるのだが。)、解説を終わる講師、塾が99%だと思います。(少なくとも私の知る限り商に記載があったことに言及しているYouTube、塾、webサイトは一つもない)
過去問研究とは、こういう事なのです。
長くなりましたが、上記2つの理由から早稲田の過去問、法、人科、文構、(文)をやって下さい。できれば法10年→人科10年→のようにやるのではなく、法1年→人科1年→を10年分やる方が、②が意識できて良いかなと思います。ちなみに2021年度は教育のとある問題が法、人科、文構の3つのうちのどこかで全く同じ問題として出題されているので探してみて下さい。
冗長な文章で読みにくかったかもしれませんが、最後までお読みいただきありがとうございました。