400字の論述が教科書を見ないと書けない
国立受験者ではないですが、かなり時間が経っているようなのでお答えさせて頂きます。
結論から言うと、インプットからやり直す必要はないと思います。共通試験で9割なら十分でしょう。
添削の進め方も、書いてみて→添削してもらうのサイクルで良いと思います。ですが、仰る通りそろそろ教科書を見ないで書いてみたい所ですね。しかし、いきなり何も見ずに書き上げるのは難しいと思いますので、「少しずつハードルを上げるやり方」をお勧めします。
その前にまずは、論述には2つのステップがあると思いますので、そこを念のためにお話します。
1つ目はポイントを抑える所です。ご存知の通り、論述で必要なのは設問に回答する上で重要なポイントである出来事などをそれぞれ抑えることです。
簡単な1例ですか、「アメリカと中国の関わりについて19〜20世紀に絞って述べよ」といった問いでは
・望厦条約
・ジョン・ヘイの門戸開放宣言
・ニクソンの訪中
などが挙げるべき重要な出来事になるでしょう。それぞれを過不足なく抽出することです。
2つ目のステップは上記を元に文章を構成することです。
例えば上記の問いならば、19〜20世紀までの出来事を時系列で記していけばいいと思います。
また、筑波大学の過去問にある問である「ルネサンス期に発達した技術が16世紀のヨーロッパに与えた影響」においては、
人文主義→レオ10世への反対→宗教改革→そこにグーテンベルクの印刷技術
という形でロジックが組み込まれています。問題に合わせて、自分なりにロジックを構成することが2つ目のステップです。
この2つのステップをできるようになるために以下の練習法は如何でしょうか。
1…問題を見て、必要そうな範囲や出来事を箇条書きで羅列する
↓
2…答えを見て、足りない範囲や出来事を把握する(ここまでステップ1)
↓
3…(書けたらでいいので)自分なりに文章を上記の内容を元に構成してみる
↓
4…(3がキツければ飛ばして4へ)その後、答えを見ながら清書を書いてみる。その時、文章のロジックの展開をしっかり把握する(ここまでステップ2)
(3と4は書き方の型を身につける意図と、自分で文章を構成する力を身につける意図があります。)←ステップ2に必要な力
このやり方をベースに、少しずつ自分でできるところを増やしていくのは如何でしょうか?
以下一問一答形式で答えていきます。
・教科書は覚えた方がいいのか?
…覚えれるなら覚えるのが理想だとは思います。ですが、中々難しいかと。質問者様は今、断片的な知識はかなり持っていらっしゃると思うので、今後はそれらのピースを繋ぎ合わせる作業が大事になってくると思います。そのピースを繋ぎ合わせる為に論述の練習が効果的なのではないでしょうか。そのピースが繋がれば、教科書を暗記しなくても「自分の言葉で」喋れるようになると思います。自身が教科書の著者になるイメージです。
・文章が幼稚になる
…模範解答を見て、その書き方を型として自分に染み込ませましょう。模範解答を真似して書くことで、その丁寧な文体を自分の体に染み込ませるイメージです。
・インプットについて
…冒頭の通りです。
・採点時に減点される件について
…正直しょうがないと思います。論述は満点を取れるものではないと思うので。如何にその減点を減らせるかの勝負だと思います。
お勧めの参考書に関しては、私はZ会の世界史論述のトレーニングを使っていました。ですが、国立ならば「世界史論述練習帳new」が良いのではないでしょうか。他には東大世界史の大論述も難しいですが、良い練習になると思います。
以上になります。私は早稲田商の100字論述でしか、論述を使わなかったのですが、塾で生徒に教える際、国公立の問題を扱った時の経験から「もし自分が国立を受けるなら、こうする」といったものをベースにお答えさせて頂きました。少しでも参考になれば幸いです。