独自の定義、規則
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いみじきほね
大学側が独自の定義や規則を使ってくる問題が苦手です。
例えば普通の問題なら、
■3ª-2ⁿ=1を満たす整数の組(a.n)を全て求めよ。
こんな感じです。
一方、私のいう独自の定義や規則というのが、
■(k≧2、nは自然数) nがk個の連続する自然数の和であるとき、すなわちn=m+(m+1)+…+(m+k+1) が成り立つような自然数mが存在する時、nをk-連続和と呼ぶことにする。(以下問題が3問続きます)
こんな感じで、極論を言うと問題用紙を開いて初めて知る定義、という感じでしょうか。整数や確率でよく見るイメージです。また東大の1998年後期グラフ理論のやつもこの分類かなと。あれはちょっと異次元すぎますが
もちろん問題用紙をよく読めばそこまで手こずることもないんですが、ここで理解が追いつかなかったり、時間がかかったりすると一気に焦ります。加えて、本当に正しく理解できてるのだろうか…という不安も試験中頭をよぎります
数学というより国語力も大きく関わることなので、どう解決するのかイマイチわかりません。アドバイスお願いします。
※例に出した問題2つはどちらも東北大学理系のものです
回答
たけなわ
すべての回答者は、学生証などを使用してUniLinkによって審査された東大・京大・慶應・早稲田・一橋・東工大・旧帝大のいずれかに所属する現役難関大生です。加えて、実際の回答をUniLinkが確認して一定の水準をクリアした合格者だけが登録できる仕組みとなっています。
こういった問題独自の定義は、だいたい文字を含んでいることが多いです。例えば、
・「nを正の整数とし、3^nを10で割った余りをanとする。」(東京大2016文系)
・「正の整数nの各位の数の和をS(n)で表す。」(一橋大2018)
・「nを2以上の整数とする。金貨と銀貨を含むn枚の硬貨を同時に投げ、裏が出た金貨は取り去り、取り去った金貨と同じ枚数の銀貨を加えるという試行の繰り返しを考える。初めはn枚すべてが金貨であり、n枚すべてが銀貨になった後も試行を繰り返す。k回目の試行の直後に、n枚の硬貨の中に金貨がj枚だけ残る確率をPk(j)(0≦j≦n)で表す。」(東北大2019文系)
のように。あなたが挙げて下さった例でもそうですね。
ご存知のように、数学で文字が使われるのはそこに入る値が不特定であるときなので、逆にいえば、自分で具体的な値を代入して実験してみれば良いわけです。k-連続和でいえば、m=1、k=2とすると、3=1+2という等式になり、3は2-連続和であることになります(相談文のk+1はおそらくkー1の間違いですね。でなければ、nはk+2個の連続する自然数の和になってしまうので)。ちゃんと、n(3)がk(2)個の連続する自然数(1→2)の和であるという定義に則ってますね。2019年文系の確率も、例えばk=1を代入してみると、P1(j)は「n枚の金貨を同時に投げ、そのうちj枚が表で他が裏になる確率」のことを言っているのだとわかります(ちなみにこれは小問⑴)。反復試行の確率を考えればすぐ解けますね。すると、次はk=2、その次はk=3、と実験数をどんどん増やしていけば、Pk(j)の内容もいずれわかるはずです。試行の手順上、残るj枚は必ず全ての試行において表でなければならず、他方それ以外の金貨はすべて、k回のうちのどこかで裏が出ればいい(全て表で残る場合の余事象)わけですから、「n枚の金貨のうち、k回の試行の直後に残るべきj枚はk回とも全て表が出て、それ以外のn−j枚はk回の試行で少なくとも一回裏が出る確率」とわかります。ここまで日本語として簡略化できれば、Pk(j)(特に、k≧2)の値もそこまで苦戦せずに出せそうですね(ちなみにこれは小問⑵)。
このように、なるべく簡単な値から代入して実験を繰り返すことで、独自の定義が何を言っているのかは帰納的に理解できることが多いです。文字が多かったり、分かりにくい表現だったりして、複雑で難しく感じる定義が出てきたら、まずは実験してみることを心がけると良いと思います。文系の問題ですが、もしまだ解いてない場合はネタバレになってしまい申し訳ございません。
コメント(2)
いみじきほね
指摘の通り、k+1ではなくk-1です。すみません
回答ありがとうございます。
確かに、文章が長いからと少し見掛け倒しな部分もあると思うので、とりあえず不安は和らぎました。
整数はそもそも分野としては得意ですが、確率は全然なのでとにかく焦らないことを意識して頑張ります。
たけなわ
大切なのは、「k-連続和」といった聞き馴染みのない問題独自の固有名詞に惑わされないこと。問題の条件を読み、「要するにこういうことを言ってるんだな」「こうなる場合を考えれば良いんだな」というイメージさえ掴めればこっちのものです。頑張ってください。
補足
回答の途中で「全て表で残る場合の余事象」と書きましたが、正確には、「n-j枚全てにおいて、k回とも表が出る場合の余事象」という意味です。まずは1枚だけに焦点を当てて考えてみて、その確率は1-(1/2)^k、これがn-j枚全てで起こるということだから、{1-(1/2)^k}^(n-j)となり、これが「残りのn-j枚の金貨はk回の試行のうちどこかで裏が出る」という部分の確率です。分かりにくくてごめんなさい。