慶應義塾大学法学部 法律学科と政治学科の違い
クリップ(7) コメント(5)
4/20 18:20
UniLink利用者の80%以上は、難関大学を志望する受験生です。これまでのデータから、偏差値の高いユーザーほど毎日UniLinkアプリを起動することが分かっています。
ぷく
高3 東京都 早稲田大学法学部(68)志望
少し調べてみましたが、法律学科は年に単位が取れる上限があるようで政治学科にはそれがなく、1.2年生の時に頑張れば3.4年生の時には好きなことに取り組める。また政治学科の方がテスト?などが楽なども聞きました。
僕は法律に興味があり法学部を目指してますが、政治にも興味があります。ここで質問なのですが、この2つの学科で受けられる講義は違うのでしょうか?法律学科でも政治の講義が単位取得できたりしないのでしょうか?また政治学科でも法律の講義で単位取得が採れたりすることは可能でしょうか?
回答
tona
慶應義塾大学法学部
すべての回答者は、学生証などを使用してUniLinkによって審査された東大・京大・慶應・早稲田・一橋・東工大・旧帝大のいずれかに所属する現役難関大生です。加えて、実際の回答をUniLinkが確認して一定の水準をクリアした合格者だけが登録できる仕組みとなっています。
こんにちは、慶應の法学部法律学科に通っているtonaです。以前別の方の「小論文のネタ集め」という質問にお答えさせていただいた時に、小ネタ的に少し話したことをより詳しく書こうと思います。形式的にはそちらの回答にあるものと似ていますが、より詳しく書きましたので、ぜひお読みください。少し長くなりますが、ぜひお付き合いください。
まず、大まかに学科の違いを話していきます。その上で、質問にお答えしていこうと思います。
ハトさんがおっしゃったように、法律学科と政治学科の2つ学科で学ぶ内容は異なりますが、受験という点では大差ありません。試験は同日に行われるので、いずれかを選ぶ必要があり、大学で実際に学ぶ内容を想定して選ばなければなりません。
まず、大学の授業は①一般教養科目、②語学科目、③専門科目に分かれます。
①一般教養は、様々な分野に及び、入った学部によらず取れたりします。例えば、受験でも使うような歴史などです。この後、少し話すのですが、慶應はキャンパスが1・2年生と3・4年生で変わります。そのうち、一般教養は基本的に1・2年生のキャンパスでしか取れません。なので、1・2年生で卒業に一般教養として必要な単位数を取ります。それができなければ、3・4年生のキャンパスからその単位をとりに来ることになります。
②語学はその名の通りです。慶應では英語と自分で選んだ第2外国語というものを必ずやります。このうち第2外国語からクラスが決まります。そして、経済学部と法学部では1年生と2年生の間に単位を取り切ることが、基本になります。いわゆる、必修科目とも呼ばれるものです。したがって、単位を取れなければ3年生・4年生になっても授業を受けることになります。(大学生のリアルを知ると、勉強のモチベーションになるかもしれないので、少し雑談します。1・2年生は日吉、3・4年生は三田のキャンパスに通います。この2つのキャンパスはそれなりに距離があるのですが、外国語の単位を落とすと強制的に日吉で授業を受けなければなりません。コロナ禍でオンラインのものも昨年までは多かったのですが、現在は対面の授業も再開されているので、2つのキャンパスの移動はほぼ確実になります。この日吉に来ることを来日、と言ったりします。語学をおとしても進級はできるので、来日される方はまあまあいます。)
語学に関しては少し特殊な点があるので、それを少し話したいと思います。まず、入学前のどこかのタイミングで学びたい言語を選択します。スペイン語やフランス語など種類は結構あります。仮にスペイン語を選んだとすると、大学側からこの先生のスペイン語を取ってください、と言われます。それによってクラスが決まります。このクラスというものは、語学によって分かれる以前に、学科によっても異なります。なので、法律学科のA組と政治学科のA組が存在します。慶應は基本的にクラス単位というより、部活やサークルで仲良くすることが多いので、問題はあまりないのですが、仮に入学前に同じ学科の友達と、同じ語学を選んでいても、習う先生が異なり、クラスも違う可能性が高いです。そのまま1年生を終え、2年生になるとそのクラスを維持したまま、別のスペイン語の授業を選びます。ただ、選ぶスペイン語の授業は自由なので、1年生で別のクラスだった人と同じスペイン語の先生に習うことが可能となります。ここから先が特殊になるのですが、法律学科と政治学科もミックスになります。なので、学科が違う同じサークルの人などと、同じ授業を取れるようになります。(こういったこともクラス全体としては固まりにくい理由だと思います。)
③専門科目というのはそれぞれの学部に関わる専門性の高い科目たちです。法学部でしたら、憲法、民法、刑法と言った科目でこれらも必ず取らなければならず、必修科目となります。この専門科目が法律学科と政治学科で異なるのです。
法律学科はその名の通り、法に通ずることを4年間やり続けます。もちろん先ほど言った一般教養として、面白そうな授業を受けることができますが、他は法律で埋め尽くされていきます。授業では、六法をもって法律に関するなかなか難しい内容を学びます。結局、就職される方々のほうが多いのですが、その性質上、司法試験合格を目指す方々も多いです。
一方、政治学科は専門科目で法律だけでなく、政治に関するようなことも学びます。そして、これが結構大事なんですが、法律系の必修が法律学科よりだいぶ楽に単位を取れます。他の必修となる専門科目も割と楽に単位を取れるイメージです。なので、政治学科の方々はより、THE•大学生という言葉が似合い、いい意味で遊んでいる印象です。(私は法律学科なので、嫉妬しているだけと言ってしまえば、それまでですが…彼らが羨ましいです。)とはいえ、こんなものは偏見で、自由に遊ぶのはその人次第です。
概説が長くなってしまいましたが、ここから質問にお答えしていきます。
Q1:
学科によって学ぶことのできる内容が異なるか?
A:
先に述べた①一般教養、②語学、については大差ありません。ただ、③専門科目については、同じ学科の人と似た取り方をすると、学科によって大きく差が出ます。そして、同じ名前がついていても教授が違っていたりします。例えば法律学科で必修科目である刑法などは、政治学科にも設置されています。教わる内容に大差はないですが、基本的に各学科で教授が異なり、テストなどの単位を取るときの求められるレベルが少し異なります。この場合は、必修科目とされている法律学科での方が厳しく見られるはずですが、普通に授業を受けてテストを受ければ、単位を落とすことはないです。もちろん、授業によっては学科が逆になるものもあります。
感覚としては、狭い分野(法律系)を深く学ぶのが法律学科で、さまざまな分野をより広く浅く学部ことができるのが政治学科です。法律の研究や司法試験合格などを目指すことを想定し、法律系を学ぶことに注力したいのであれば、法律学科をおすすめしますが、基本的に就職などを目指すのであれば、政治学科で良いと思います。私の政治学科の友人の1人は会計士試験合格を目指しており、法律と少し離れたことに挑戦しています。一例でしかないですが、政治学科の方が将来に対しての自由度は高めではあります。隣の芝は青いなんて言いますが、法律学科にいると、色々できる(ように見える)政治学科がとてもよく見え、羨ましかったりします。
結論ですが、学科の友達などと同じように授業を取ったりすると、講義の内容は異なりますが、気持ち次第では学びたいことをある程度自由に選べます。
Q2:
法律学科でも政治系の単位が取れるか?
A:
可能です。1・2年生の基本的な内容は、一般教養として扱われます。これは政治学科の方々が受けるものとは別で、他の経済学部・商学部・文学部の方々と同じように受けます。3・4年生では少し異なるのですが、説明が難しいため割愛させていただきます。年によって、毎年続いていた授業が、急になくなることもありますが、内容を見た上で選ぶことは可能です。
Q3:
政治学科でも法律系の単位が取れるか?
A:
こちらはもちろんです。法学部なのですから、大学の方針としても学生がある程度法律について学ぶことを前提とします。ただ、法律学科とは取る授業が異なり、教授が異なることもあります。
前半が長かったので、質問にはサクッとお答えする形となりますが、大体これで伝わるかと思います。何か追加で質問等あればコメントをつけておいてください!
ちなみに全然関係ないですが、私は現在三田で商学部の授業を、商学部の方々と受けたりしています。授業によってはそんなことも可能になります。
改めまして、ここまで読んでくださってありがとうございます。大学生となる自分の姿や大学のことを具体的に想像するのは、モチベーションの維持にとても大切だと思います。今回の回答がその一助となれば幸いです。
コメント(5)
ハト
4/20 19:30
とても分かりやすく個人的な感想(とても重要だと思います!!)も頂きありがとうございます!
なるほど、政治学科の方がやさしいですが、法律学科でも特別単位を取るのがむずかしい訳では無いのですね!
慶應は就職がとても強いイメージがありますが、僕は国家公務員をめざしておりネットで調べたところ早稲田の方がやや数は多いものの年によっては慶應の方が勝っている時もあります。慶應は多くの方が就職に目を向けているそうでその中でも国家公務員がいることを考えると魅力だと思います。
学ぶ内容が同じでテストが少し?分かりやすくしてあるという事なのですが、同じ講義でも法律の方が教授のわかり易さ、はたまた教授自体が別の方(大変失礼ですがどちらかと言ったら良い教授)などそういった違いなどありますでしょうか?
就職の面で言ったら法律と政治では違いがありますでしょうか?
tona
4/20 21:56
真面目に大学で学ぼうとしている方に、こんなこと言ってしまうと元も子もないのですが、そもそも日本の大学の授業は、大学受験の勉強なんかとは比にならないくらい楽です。内容的に難しいことも多少ありますが、普通に勉強してたら平気です。昨年まではコロナ禍ということもあり、レポートを出すだけで授業を聞かなくても単位がくるようなものもありました。
テストについてですが、感覚的なものなので確実性はないです。「政治学科だし、そんな無理はさせないよ」というスタンスの教授が多いということで、分かりやすさには直結しません。ある程度知名度のある教授が法律学科で授業されていることは確かですが、全然話が上手くない人もいます。他にも自分の研究がしたくて仕方なくて、授業は二の次なんだろうな、と感じる人もいます。なので、そこはぶっちゃけ運もあります。
また、就職のできる・できないに関しては両方の学部を完璧に知っているわけではないので、断言はできませんが、そこまで差はないと思います。学歴としての差はあまりありません。慶應法学部という学歴をベースにして、結局その個人がどんなことをしてきたかというのが見られます。たしかに、政治学科で就職にめちゃくちゃ強いゼミがあるのは事実です。また、学部学科関係なく、強い部活に入っていたら、ある程度の就職が確約されるということもあります。ですが、基本的には自己分析が上手い人や自分の見せ方が上手い人から、決まっていく印象です。
就職先のジャンルは少し違うかもしれません。大学で学んだことを将来の仕事に生かすのは自然なことなので、学科での差が多少出るかもしれません。
あまり決め手となるような答えはできなかったのですが、こんなところでしょうか。
ハト
4/20 22:08
いえいえ!正直な感想の方がとても参考になります!
学生はどんな方がいますでしょうか?政治学科にははっちゃけてるいわゆる陽キャの様な方が多いと聞きました。自由度も欲しいですが、陽キャしいと自分とは合わないのでそこでも悩んでます、、
tona
4/20 22:41
細かい数字は忘れましたが、各学科に1学年で大体600人くらいいるはずなので、色々な人がいます。ただ、問題なく住み分けがされているので心配はないです。全員が陽キャなんてことはなく、一部そういう人が良い意味でも悪い意味でも目立っているだけです。そして、その住み分けは基本的に学科ではなく、サークルなどでされるので、そういう意味ではどちらの学科を選んでも大体同じです。
少し偉そうなりますが、周りや環境を優先して決めないで欲しいです。自分の意思で自分のやりたいこと・決めたことをやってください!大学のことも受験も。
ハト
4/21 1:37
すみません、浅はかでした、。
お恥ずかしいところをお見せしてしまいました。慶應義塾大学に失礼な考えですね。
人で見ずに受けたいもので決めたいと思います!