国立2次試験に向けた数学(文系)の勉強方法について
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8/28 8:20
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まなか
高3 広島県 大阪大学法学部(65)志望
大阪大学法学部志望の高3です。
今日、全統記述模試があって、数学がボロボロでした。もともと数学の成績がめちゃくちゃいいわけではないです。前回の全統記述は6割ぐらいありましたが、今回はたぶん100点もないと思います。
夏休みの毎日の勉強時間のうち、8,9割を数学に費やしたのに全然できませんでした。私は河合塾に通ってるので夏休みは塾のテキストや基本事項集を中心に勉強しました。あれだけ数学に費やしたのに点数が下がるほどできなかったということは、勉強の仕方が間違っていたのでしょうか。また、正しい数学の勉強方法を教えて頂きたいです。
回答
RIZ
大阪大学経済学部
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こんにちは!RIZと申します。
今回は夏休みに一番時間をかけた数学で点数が取れなくて悔しいとは思いますが、間違えた問題についてはしっかり復習して、もし本番で出題された時に間違わないきっかけになったと前向きに捉えましょう!あくまで模試は練習ですからね。
さて、数学の学習方法についてですが、まず数学は3つ大事な要素があります。1つ目が計算能力です。これは言わずもがなですね。2つ目が解法パターンを覚えていることです。典型的な問題の解き方を知っているということですね。最後3つ目が思考法です。これはある問題に対する解法を考えるときの過程ですね。「なぜ」その解法で解くのかということです。
以上を踏まえて、今回の模試では何が不足していたから出来なかったのか考えましょう。例えば時間が足りなかったとすれば、計算が遅かったのか、解法を思いつくまでに時間がかかったのかなどが挙げられますし、単純に解き方がわからなかったとしたら、その時答えを見て理解できた場合は3つ目の思考法が足りなかったと考えられますし、もし答えを見ても理解できない場合は2つ目の解法パターンの把握がそもそもできていないことが考えられます。ここで不足点を洗い出して今後の学習の糧にしましょう。
以下では、上記の3つの要素のうち、特に意識しないと習得できないであろう3つ目の思考法にフォーカスしてお話しさせて頂きます。夏休みの学習で多くの時間を割いたということは、恐らく2つ目の基本的な問題の解法は頭に入っている状態だったけれども、模試などの初見の問題になると解けなくなるという状態ではないでしょうか。(もし違ったら申し訳ないですが、今回はその状態を前提にします。違う場合はコメント欄で教えてください。)この時今までの学習で見直してほしいのは、ある問題に対して、「なぜ」その解法で解くのかしっかり理解していたかということです。例えば「自然数に関してある命題を示せ」といった問題があった時にその問題が解けなかったとします。そこで解答を見ると、数学的帰納法で解いていたとします。こうなった時に、単純に解答で数学的帰納法が用いられていたから、こういう問題は数学的帰納法で解けばいいのかと理解するだけではいけません。なぜ数学的帰納法で解くのかを考える必要があります。それは今回の場合、自然数という条件かつ証明問題であることから、ひとまず数学的帰納法を疑ってみるという思考法が存在するからです。他にも図形問題が出てきたら、①幾何的(図形の性質)に解くのか、②座標に置いて解くのか、③ベクトルで解くのか、などを考えたり、といった思考法も存在します。これらの例はとても単純ですが、意外とこの「なぜ」といったところまで考えていない人が多いです。この場合、単純に解法を暗記しているだけなので、すでに解いた問題は解けるものの、類題になると手も足も出ないという状態にも陥りかねません。数学はこのように、ある具体的な事例から、抽象的な「思考法」を考えることがとても重要です。この思考法は一般的に使えるので、初見の問題でも条件から適切な解法を選択することができるようになります。なのでもし今回の模試が出来なかった理由が、この「思考法」という要素が欠けていたからであれば、今まで使っていたテキストなどを見直して、「なぜ」その解法で解いているのか説明できるようにしてみると良いと思います。
最後になりますが、阪大の文系数学は基礎的なレベルの問題が多いです。今からでも十分間に合います。まずは焦らずに自分が間違えた理由を分析して、特に「なぜ」を考えて勉強してみてください。ご質問等ありましたらコメント欄でお願いします!
RIZ
大阪大学経済学部
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プロフィール
〈受験科目〉 国語(現・古・漢)、数学 1A2B、英語、地理B、倫政 理科基礎(物基・化基) 〈合格実績〉 大阪大学経済学部、早稲田大学社会科学部(数学受験) もともと理系だったので数3、物理、化学も勉強していました。 ホームには自分が使ってよかった参考書や勉強法を書き込んでます。よかったら参考にしてみてください。あくまで個人的主観によるものなので成績を上げることを保証するものではないことに注意してください。
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コメント(6)
まなか
8/29 10:05
ご回答ありがとうございます!
模試を見直してみると、計算ミスがいくつかあったり、途中まではできていたけれど真数条件や底の条件が頭から抜けていてxの範囲を考えてなかったなど基本的なこともありましたが、やはり思考法の要素がかなり欠けていたと思いました。また、例題などを機械のように解いただけで、もともと数学が苦手だった分すごくできるようになった気になっていました。
私は、基本的な解き方は丸暗記の状態なのですが、そのような問題も全てなぜこの解法なのか考える方がよいです?あと、その思考法を考えるという勉強方法の仕方がイマイチ分からないので、教えて頂けると嬉しいです🙇♀️
RIZ
8/29 11:56
基本的な問題であっても、定義のような導出できないものを除いて、なるべく考えるといいと思います。
あと思考法を身につけるための勉強法ですが、これは特殊な勉強というよりも、既にお伝えした様に、やはり「なぜ」その解法なのかを考えるというのが勉強法です。もう少し詳しく説明すると、当たり前ですが入試問題は問題だけから解答を考えなければいけません。なので、数学を勉強するときに、解答をみて、そこから逆算して問題が解けたつもりになってはいけないわけです。そこで、問題文だけからどうやったらその解法が思いつくのか考えなければいけません。これが「なぜ」を考えるということです。そしてそのとき、問題文の条件に着目すると良いです。今回は今年の東大文系数学大問1の(1)を例にとってみます。ちょっとでいいので、問題を解く方針だけ考えてみてください。(お手数ですが問題は調べて貰えると助かります。「過去問ライブラリー」というサイトで見れます。)方針が立たない場合は、解答をみて、今度はその解法を思いつくためには問題文のどの条件に着目すればよかったのか考えてみてください。以下では個人的にこの問題を解く上で問題文のどこに着目したのかを書きます。まず(1)の問題を見ても、具体的に何をするべきかというのはイマイチわかりませんね。なのでまずは問題文の条件を数式に落とし込みましょう。これはどんな問題でもそうですが、基本的に数学の問題は問題文の条件を数式にするところから始めます。そこで今回は、「Cは原点で垂直に交わる2本の接線l1、l2をもつとする。」とありますから、まず①接線に関する問題なので微分を考える。②原点を通るので、①で得られた接線に(0,0)を代入して成り立つ。 ③垂直なので、①で得られた接線の傾き同士の積が-1。という3つのことがわかります。そこでまずは微分して接線の方程式を考えたいですよね。そのためには接点のx座標が必要です(接線の傾きは微分の定義より微分係数なので)。そこでひとまずl1、l2のそれぞれの接点のx座標をs、tと置きます。ここで、問題文の「ただし〜」以降の条件から、s<tとします。そうすると、l1、l2がs、tを用いて表すことができたので、あとは②、③の条件を使って解くだけです。つまり、②の条件から得られた2つの接線の方程式に(0,0)を代入して、sとb、tとbに関する条件を得ます。sとtは自分で置いた文字なので消す必要がありますよね。そこで、s=-√b、t=√bとできます。ですがここで√の中身は正でなければならないので、b>0とします。そして次に③の条件から、2つの接線の傾き同士の積が-1とすると、最終的にb=1/4(a^2+1)と表せます。このとき、右辺はグラフを書くと(書かなくてもaが実数よりa^2≧0なのでわかりますが)必ずbは正を取ることがわかりますから、先ほどのb>0を満たし、aはすべての実数をとりうると示せるわけです。以上のように、まず問題文の条件からやるべきことをしっかり考えることが重要です。これが「なぜ」その解法で解くのかという部分になります。極論言ってしまうと、この(1)は(2)を解く上で必要な条件なので、最悪(2)だけが問題として出されても、問題文の条件を数式に落とし込むだけで(1)は必然的に求まります。しかし、こうした考え方ができるようになるには正直経験がものを言います。どれだけ多くの具体的な問題から解法を一般化して他に適用することを日頃から考えて勉強しているかが重要ということです。この(1)の問題でも最初にbをaで表していますが、これは「複数文字が出てきたらなるべく減らす」という鉄則、いわば思考法が獲得できていればより理解は深まるでしょう。これはやはり経験によるものが大きいです。なのでひたすら演習を積む中で、「なぜ」を考えることが重要になります。地道ですが頑張りましょう。
最後になりますが、裏技的なことを言ってしまうと、「数学モンスター」というサイトでは、この思考法を説明しながら問題の解説をしてくれているので、そこで一気に思考法をインストールするのも手です。ただし問題のレベルがかなり高いので、正直阪大文系数学であれば完全にオーバーワークです。ですがそこで得られる思考法は数学の問題に一般的に使える考え方なので役に立つとは思います。時期も時期なので、もし今からやる場合は必要だと思う分野だけやるようにしてみてください。他に質問などありましたらまたお待ちしてます。
まなか
9/2 13:04
お礼が遅くなりごめんなさい。
丁寧に本当に本当にありがとうございます!!
自分のやるべき課題と勉強方法、分かったような気がします!本番までがんばります!!
あと、もう1つ質問なのですが、私は早稲田大学の社会科学部を数学受験しようと思っているのですが、私のように数学が苦手な人は数学で受けないほうがいいですかね、?
RIZ
9/2 15:01
長い説明になってしまって申し訳なかったですが、お役に立てたのなら嬉しいです!
早稲田社学に関しては、例え数学が苦手でもよっぽどでない限りは数学受験をおすすめします。理由は主に2つあります。
1つは阪大の2次が国数英である以上、早稲田で社会を使うとなるとそっちに時間を割く必要が出てくるからです。特に早稲田の社会は結構細かい知識まで必要なイメージなので、ちゃんと対策しなければならないと思います。そうなると「二兎を追うものは一兎をも得ず」みたいなことになりそうなので、なるべく2次で使う科目は同じ方がいいという理由です。
2つ目は、難易度(簡単〜標準)の割に平均点が低く、得点調整で点が上がりやすいからです。過去のデータを見てもらったらわかるかと思いますが、社会に対して平均点がかなり低い年が多いです。平均点が低いと問題が難しいように思いますが、実際解いてみると阪大より簡単か同程度で、極めて標準的なものが多いです。なので阪大の対策をしていれば自ずと解けるものが多いので、あまり負担にならないのでおすすめです。年にもよりますが、大体2完できればかなりアドバンテージになるかなという印象です。ただし少し気をつけたいのは、意外とちゃんと記述してると時間が足りなくなるので、テンポ良く解いていく必要はあるかと思います。
以上の2点の理由から、数学受験をおすすめします。ただ、もし社会がものすごく得意だったら話は別かもしれません。なのでとりあえず過去問を解いてみて、平均点に対して自分がどれだけ取れているかで考えてみてはいかがでしょうか。他に聞きたいことがあればいつでもどうぞ〜
まなか
9/8 15:08
そうなんですね!!
沢山教えて頂いてありがとうございます!
数学のモチベ上がりました!!!
RIZ
9/8 15:39
応援してます!