実験考察型の問題に強くなるためには
UniLink利用者の80%以上は、難関大学を志望する受験生です。これまでのデータから、偏差値の高いユーザーほど毎日UniLinkアプリを起動することが分かっています。
こう
共通テストや2次でよく出てくる実験考察型の問題がなかなか解けなくて、共通テストの問題では特に対応できていません。よく慣れが必要だと言われています。対策用の問題集を書店で探しても沢山あって、どれが実験考察を多く扱っているか一目見ただけではわかりませんでした。おすすめの問題集、また対策の仕方を教えてください。
回答
Yu
すべての回答者は、学生証などを使用してUniLinkによって審査された東大・京大・慶應・早稲田・一橋・東工大・旧帝大のいずれかに所属する現役難関大生です。加えて、実際の回答をUniLinkが確認して一定の水準をクリアした合格者だけが登録できる仕組みとなっています。
まずは、おすすめの問題集から。
標準問題精講→110題ほど。入試標準的な良問が多く、おすすめ。これが理解できれば、入試問題は大抵解ける。
東大の生物25ヵ年→とても良い。思考力がつく。記述内容を簡潔にまとめる力もつく。
次に対策の仕方。
まず、実験考察問題で大事なのは、何を調べようとしているか理解することです。これは大抵問題文中に書いてありますが、実験内容からも分かることです。
次にそのためにどんな実験をしているのか理解しましょう。大抵は複数群に分けて、実験などに対するそれぞれの結果を見比べて、調べたいことを明らかにする手法をとっていると思います。
例をあげましょう。中胚葉誘導に関するものです。
数字は適当なのであてにしないでください。
<実験1>
内胚葉と外胚葉を接触した状態で培養すると、その間に中胚葉が誘導された。
<実験1.5>
内胚葉と外胚葉を分離したのち、再び接触した状態で培養すると中胚葉が誘導された。
<実験2>
内胚葉と外胚葉を分離して、それぞれ培養すると、内胚葉は内胚葉性組織に、外胚葉は外胚葉性組織になった。
<実験3>
1度分離した内胚葉と外胚葉を、10nmの孔が空いてある薄片を挟んで接触させ培養したところ、外胚葉側に中胚葉が誘導された。
<実験4>
実験3の薄片を5nmの孔が空いているものに変えると、中胚葉は誘導されなかった。
では考えていきましょう。
まず実験1で、内胚葉と外胚葉が接触していると中胚葉が誘導されること(事実)がわかりました。
この時、可能性として
A内胚葉→中胚葉
B外胚葉→中胚葉
C内胚葉、外胚葉→中胚葉
が考えられ、また、
この誘導は
①接触によるものなのか
②接触に関係ない、分子によるものなのか
③そもそも接触しなくても勝手にできるものなのか
という3通りの考えができます。
①〜③を検証していきましょう
③を検証するのが実験2ですね。
実験2から③は正しくないことがわかりました。
①、②を検証するのが実験3,4です。
まず、実験3から接触は不要なことがわかるので、①は否定されます。故に②が正しいだろうということになります。では分子の大きさは?
そこで実験3,4を比べると分子の大きさXは5nm<X<10nmとなります。
さらにA〜Cに関しても、実験3からBが正しいだろうということがわかります。
さて、実験1.5が何のためにあるのかということですが、分かりますか?
これは、分離という操作が中胚葉の誘導に影響を与えていないことを示すための対照実験です。
この考え方が基本の流れです。普段、問題を解く時など、スピードを重視するなら
実験1,2を比較→違いは?→接触培養か単独培養か→結果を見ると→接触してると中胚葉誘導される
実験1,3を比較→違いは?→間に薄片挟んでる(孔あり)→結果を見ると→接触しなくても中胚葉誘導される(何かしらの分子が関与?)→分子の大きさは10nm以下
実験3,4を比較→違いは?→孔の大きさ→結果を見ると→分子の大きさは5nmより大きい
という流れです。
どれを比較すれば良いのか見分けて、1つずつ比較すれば自然と答えは出ます。
長くなりましたが、参考になれば幸いです。
コメント(1)
こう
とてもわかりやすいです。ありがとうございます!