中央大学法学部から公認会計士は目指せるのか
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5/17 12:30
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やま
高2 栃木県 中央大学商学部(59)志望
タイトルの通り、中央大学の法学部から公認会計士は目指せるのか教えていただきたいです。
1、法学部の忙しさ的に、ゼミと両立しながら、目指せるのか。
2、法学部は最近茗荷谷キャンバスに移りましたが、多摩キャンパスに通うことになるのか。
以上の2つに分けて答えていただければ幸いです。
読みづらい文章ですがよろしくお願いします。
回答
たけなわ
北海道大学法学部
すべての回答者は、学生証などを使用してUniLinkによって審査された東大・京大・慶應・早稲田・一橋・東工大・旧帝大のいずれかに所属する現役難関大生です。加えて、実際の回答をUniLinkが確認して一定の水準をクリアした合格者だけが登録できる仕組みとなっています。
私も気になるところなので、調べた結果を共有させていただきます。公認会計士試験についてはあまり詳しくはないですが、法学部に通っている身として、ご参考にしていだたけると幸いです。
①法学部で公認会計士を目指すことについて
学部については、「経済学部、商学部、経営学部といった学部出身者の合格割合が比較的に高いですが、最近では、法学部や理数系学部といった様々な学部の出身者が合格しています」ということだそうなので、学部の壁はそう高すぎるわけではないみたいですね(https://jicpa.or.jp/cpainfo/introduction/qa/)実際、私も、同じ北大法学部で公認会計士を目指して勉強していらっしゃる方を一人知ってます。
公認会計士試験の内容ですが、主に短答式試験と論文式試験の二段階で行い、前者は「企業法」「財務会計論」「管理会計論」「監査論」の4科目、後者は「会計学」「監査論」「租税法」「企業法」「選択科目(経営学、経済学、民法、統計学のうち1つ)」の5科目だそうです(https://www.fsa.go.jp/cpaaob/kouninkaikeishi-shiken/qanda/index.html#gaiyouのQ.5)。「企業法」は商法分野、「租税法」は名の通り租税法分野(私の通う北大法学部では、行政法の一分野として学びます)で、これらは法律科目なので基本的には法学部で学ぶ分野です(「民法」はいうまでもありません)。これに対し、残る「財務会計論」「監査論」「管理会計論」は経済学・経営学の分野で、基本的に法学部では学ぶことのない分野です。配点等にもよるのでしょうが、法学部に進んでも、経済学関係の学部に進んでも、いずれも公認会計士試験の内容に直結する一部の分野を学ぶということになると思います。法学部に進んだ場合は、経済学領域の分野を他学部履修することになり、経済学関係の学部に進んだ場合は、法律科目の分野を他学部履修するという形になりそうですね(ここらへんは各大学の履修制度や開講科目にもよるでしょう。中央大学については私は知らないので、詳しくは中央大学の教育制度をご自分でお調べください)。
②法学部の忙しさ、ゼミとの両立
法学部で学ぶ内容は、名の通り法学です。具体的には、日本を含む各国の法律や政治について学びます(法律学と政治学)。就中法律学の方は、学ぶ内容が難解である上に、期末試験の成績のみによって一発で単位が決まるので、毎回の授業の予習や復習は必須です。ゼミに関しては、先生や単位数によります。基本的には、担当の報告者が判例だったり、事例問題に対する答案だったり、指定された文献の内容だったりを報告し、それを受けてゼミの受講者全員で議論をするという感じだと思いますが。どれほどの準備が必要になるかは、そのゼミの内容次第です(内容はゼミの先生がお決めになっています)。ただ、①で述べたような商法分野、租税法分野のゼミを取れば、そこで扱われることを、そのまま公認会計士に向けた勉強にも活かすことができると思うので、取るゼミによっては、両立どころかむしろ有益な場合さえあると思います。公認会計士を目指していて、どうして法学部の方に行きたがっているのかは知りませんが、中央大学の法学部の卒業生で公認会計士になった方が過去にいるのでしたら、まぁ法学部に進んでも十分公認会計士は目指せるのではないでしょうか。
ちなみに、法学には「法と経済学」という分野もありますが、これは学部でも開講されているところがありますが、基本的には大学院レベルで学ぶような、また一段と専門性の高い分野です。私は、これについてはまだ全然何も知らないので、興味がおありでしたらご自身でお調べになってください。
③キャンパスについて
中央大学については何も知りませんが、キャンパスが移ったのであれば、おそらくそちらに通うことになると思います。これについては調べればすぐ出てくると思うので、ご自身でお調べになってください。
たけなわ
北海道大学法学部
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コメント(1)
たけなわ
5/17 14:02
専門的な内容になるので、あまり詳細には書けませんが、興味がある方向けに、公認会計士試験科目に関する補足的な説明をいたします。
株式会社には、機関設計や経済状態などによって色々な種類があります。このうち、①「大会社」というものと、②「指名委員会等設置会社」というものと、③「監査等委員会設置会社」というものがあります。
「大会社」とは、最終事業年度に係る貸借対照表に資本金として計上した額が5億円以上であるか、当該貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が200億円以上である会社のことを言います(会社法2条6号)。
「指名委員会等設置会社」とは、指名委員会、監査委員会及び報酬委員会を置く会社のことです(会社法2条第12号)。指名委員会とは、株主総会に提出する、取締役の選任及び解任に関する議案の内容を決定する株式会社の機関の一つです(会社法404条1項)。監査委員会は、❶執行役等の職務の執行の監査及び監査報告書の作成と、❷株主総会に提出する、会計監査人の選解任及び不再任に関する議案の内容の決定を行う株式会社の機関の一つです(会社法404条2項)。報酬委員会とは、執行役等(執行役と取締役のこと。会計参与設置会社では会計参与も含む)の個人別の報酬の内容の決定とを行う株式会社の機関の一つです(会社法404条3項)。
「監査等委員会設置会社」とは、監査等委員会を置く会社のことです(会社法2条11の2号)。監査等委員は取締役の中から選ばれます(会社法399条の2第2項)。監査等委員会の職務は、❶取締役の職務の執行の監査及び監査報告の作成、❷株主総会に提出する、会計監査人の選解任と会計監査人の不再任に関する議案の決定、❸株主総会においてする、監査等委員でない取締役の選解任と報酬に関する意見の決定です(会社法399条の2第3項)。
ここで、「株主総会」「取締役」「執行役」「会計監査人」が出てきました。株主総会とは、会社に対して出資(簡単に言えば、会社が事業をするために必要な資金の提供)をした人(株主)が集まって、その会社の組織・運営・管理等の事項について話し合って決める、株式会社の機関の一つです(会社法295条1項)。「取締役」は、それに基づき業務を執行する人のことです(会社法348条1項)。指名委員会等設置会社においては、取締役会(3人以上の取締役で構成される機関)の決議によって、1人または2人以上の「執行役」を選任し(会社法402条1項2項)、彼らに業務執行の決定を委任できます(会社法416条4項本文、418条1号)。そして、会社の業務の執行は執行役が行い(会社法418条2号)、取締役会はこれを監督する立場に回ります(会社法416条1項2号)。「会計監査人」とは、株式会社の計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類、連結計算書類の監査し、会計監査報告を作成する義務を負う人です。会計監査人は、株主総会の普通決議(過半数による多数決)で選任されます(会社法329条1項、309条1項)。
ところで、上記①ないし③の会社においては、会計監査人を置かなければなりません(会社法328条、327条5項)。そして、会計監査人は、公認会計士または監査法人でなければなりません(会社法337条1項)。監査法人とは、5名以上の公認会計士を社員として設立される法人のことです(公認会計士法314条の2の2第1項、314条の7第1項)。もっとも、①ないし③の会社以外でも、任意で会計監査人を設置することはできます。
したがって、公認会計士は、会社法をはじめ企業に関する商法分野と、計算に必要な、すなわち会計やお金の移動に関する知識については専門家としての役割を果たします。公認会計士試験において、企業法と租税法が試験科目に組み込まれているのは、おそらくこのためだと考えられます。選択科目のところに民法がありますが、一般法である民法に対して商法が特別法であるという関係上、選択肢の一つに民法があるものと思われます。まぁ、以上述べたことについては大学で学ぶことなので、今は「へー」くらいに思っておいていただければ、それで結構です。私の理解の方が誤っていて、不正確な情報がありましたら、申し訳ございません。
最後に、公認会計士の使命は、「監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もつて国民経済の健全な発展に寄与すること」であり(公認会計士法1条)、その職責は、「常に品位を保持し、その知識及び技能の修得に努め、独立した立場において公正かつ誠実にその業務を行わなければならない」とされます(公認会計士法1条の2)。ぜひ、これに見合う精神や人格の陶冶に励むことのできるよう、これから頑張ってください。