ベクトルがどうしても苦手です。
まずベクトルの根本から理解しましょうか。
ベクトルとは 方向と大きさを兼ね備えた量のことを言います。 (1,2)と言われたら 大きさ 方向共にわかりますよね?
しかし! 逆に言えば方向と大きさしかわかりません。
宝探しに例えるならば ベクトルは
「南に4歩 西に3歩あるけ」という情報しか持ちません。 つまりはスタート(始点)が決まらなければ 宝の場所(終点)も分からないのです。
そこで出てくるのが位置ベクトルです。
位置ベクトルは始点を(0.0)に固定することで 終点を決めようというベクトルです。
より簡単にいうならば 原点(0,0)からある点(a,b)に行くためのベクトルのことを位置ベクトルと言います。
例えば 位置ベクトル(1,2)と言われたら 原点(0,0)からある点(1,2)にいくためのベクトルですよね?
つまり!お分かりだと思いますが 位置ベクトルの数値は座標の数値と同じになります。
なので 座標の計算で成り立つ公式は位置ベクトルでも成立します。
例えば 内分点の公式は内分ベクトルの公式と等しいですよね。
ここで頭がこんがらがりガチなポイントとしてvAB=vOB-vOAがあげられます。【ベクトルABをvectorの頭文字をとってvABと書きました。】
ここで意識しなければならないのは 位置ベクトルは座標のように扱うことができるだけで本質的にはベクトルです。
vAB=vOB-vOA=vOB vAO となり、AからOへ行くベクトルとOからBへ行くベクトルがあるので結果として AからBへ行くことができます。
ついてこれましたか?
次に ベクトルといえば内積(外積)が大事ですね。 これに関してもお話ししましょう。
ここにvAB=(a,b)とvCD=(c,d)があるとしましょう。
内積とはvAB•vCDの計算のことを言います。 具体的にいうならば vAB•vCD=ac bdですね。 そしてvAB•vCD=AB×CD×cos@ (@はABとCDのなす角です)も有名です。
しかしなんのことかさっぱりですよね?
詳しく説明していきます。
/vAB/^2=(vOB-vOA)^2=/vOB/^2 /vOA/^2-2OA•OBここまでは楽勝ですね。
ここで三角形OABを書いてみてください。
これ何かに似ていませんか? そうです余弦定理です。余弦定理は
AB^2=OA^2 OB^2-2OA×OB×cos@です。 見比べてみると 2OA×OB×cos@=2OA•OBとなりませんか? これこそが その不可解な等式のメカニズムです。
∴実は 外積は
vAB×vCD=ad-cb=AB×CD×sin@となります。 なので外積÷内積をすることでsin@/cos@=tan@などとすることもできます。わりと便利ですね。
長々とベクトルの話をしてきましたが、センターのベクトル問題で得点を取るための話をします。 ずばり一番重要なのは 内分公式の完ぺきな理解です。
MがABをt:sに内分するとすると
vOM=s vOA t vOB /s tが成立することは 内分点の公式から明らかです。
更にvOM=s/s t vOA t/s t vOBと変形でき、係数の和が1になっていることをおさえておきましょう。
では 係数の和が1にならない時(内分 外分が成立していない時) 式に意味を持たせるためにはどうすればいいでしょうか。
具体例をだすと、
vON=2/3 vOA 2/5 vOBのとき、Nはどのような点でしょうか?
繰り返しになりますが、その点Nに意味を持つ意味を知るためには 係数の和が1になることが大切です。
なので例えば vON=3/5(10/9 vOA) 2/5 vOBと変形するとNは OQ=10/9 vOAを満たす点Qと点Bを2:3に内分する点とわかりますよね。
そしてもう一つ 発展させるとこれによって交点を求めることもできます。
例えば 点Tが直線ABと直線CDの交点であるとしましょう。
このときTは線分AB上でかつ線分CD上ですね。 そしてここでポイントなのは 直線AB上にあるということはTは線分ABの内分点であるということ。 線分CDについても同様です。 しかし具体的に何対何かはわからないので、x:(1-x) 、y:(1-y)と仮定して立式してみます。
vOT=x vOA (1-x) vOB......㊀
vOT=y vOC (1-y) vOD......㊁です。
そしてその後の問題の流れとして想定されるのは vOCやvODをvOA vOBを用いて表すことができ、 それを㊁へ代入し、㊀と係数を比べます。
具体的に
vOC=vOA vOB vOD=2 vOA-3vOBと仮定して考えてみると、
㊁式はvOT=y(vOA vOB) (1-y)(2 vOA-3 vOB)=(y 2-2y) vOA (y 3-3y) vOBとなりますね。
㊀と係数を比較すると
(y 2-2y)= x
(y 3-3y)=(1-x)となり、x,yが求まり、それによってvOTが特定されます。
などなど 上記のことがしっかり完ぺきに理解できて入れば大体の問題はとけるのではないかなと思われます。
あとは面積公式などもありますが、それらは内積の式を考慮すれば必然的なことだとわかるはずです。
長くなってすいません。 頑張ってください。
∴誤字があればすいません。