日本史の講義系参考書について
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UniLink利用者の80%以上は、難関大学を志望する受験生です。これまでのデータから、偏差値の高いユーザーほど毎日UniLinkアプリを起動することが分かっています。
小海
高2 神奈川県 上智大学総合グローバル学部(66)志望
私は4月から高3で上智大学を志望しています。
教科書は文章が堅くて教科書からではうまく理解できない私にとっては少し厳しいような気がしたので、まずは内容をもっと分かりやすく理解できるように講義系参考書から入ろうと思いました。(もちろん教科書も使います)
学校の先生に少し聞いてみたら、金谷先生のなぜと流れがわかる本か、石川先生の実況中継のどちらかを4月から一冊1ヶ月のペースで終わらせて7月までに通史を終わらせる。講義系参考書でインプットと同時に、はじめる日本史や金谷先生の一問一答を翌日とかにアウトプットし、8月からは実力をつける100題や標準問題精講、過去問やセンターの問題などの演習に時間をかけたらいいと言われました。
日本史の知識があまりないので得意不得意もまだはっきりしないのですが、石川先生の実況中継か金谷先生のなぜと流れがわかる本、どちらがいいでしょうか。
回答
km
慶應義塾大学文学部
すべての回答者は、学生証などを使用してUniLinkによって審査された東大・京大・慶應・早稲田・一橋・東工大・旧帝大のいずれかに所属する現役難関大生です。加えて、実際の回答をUniLinkが確認して一定の水準をクリアした合格者だけが登録できる仕組みとなっています。
こんにちは。『実況中継』と『なぜと流れがわかる本』のどちらが良いかということですが、結論から言うと両方あまりお勧めできません。4冊買わないといけないこと、挫折率が高いこと、些末な知識が多いこと(特に実況中継)が理由です。またTEAP利用入試以外の上智大学の地歴は共通テストのみなので、これらの参考書はオーバーワークにもなりかねません。
まず日本史を習得するために必要なことは確固たる土台を築き上げることです。早慶上智の様な最難関私立大学であってもです。合格点を取るために必要なのは「用語の量」ではなく「土台の質」です。その土台は共通テストの本でも作ることができるので、まずは共通テストの本を1日1章ずつくらいのペースでゆっくり精読し、本文内容をまずは「理解」して下さい。用語の暗記や内容の確認は復習に譲り、インプットの際にはとにかく理解に努めることです。どうしても分からないところは学校の先生に質問されると良いと思います。
ちなみに共通テストの本をお勧めする理由は、1~2冊買うだけで済み、些末な用語に惑わされることなく読み進められるためです。
その共通テスト本の復習には正誤問題集が良いです。正誤問題は解く際に様々な知識を動員することになるので、学習効果が一問一答よりも高いです。また、共通テストや難関私大の対策にも役立ちます。その後は定期的に標準レベルの問題集を解き、知識の忘却を防いで下さい。
教科書については無理に通読しようとせず、問題演習の中で自らが誤答した箇所を確認する際や「知識を点検したい」「流れを確認したい」と思った際に読めば良いです。質問者様の仰る通り教科書だけで日本史の内容を理解することは難しいです。しかし、ある程度の知識をつけ、目的を持って読めば教科書の見方は変わります。文体の硬さもそこまで気にならなくなるはずです。
このやり方でも夏までに通史の学習は一通り終わります。通史を終えた後は通史の内容を一通り復習し、共通テストやセンターの過去問を解けば良いです。上智大学を受験するためには共通テストで高得点を取る必要があると思うので、センターの演習を通して土台を固めて下さい。MARCHや早慶も視野に入れているなら難関私大向けの問題集も解けば良いと思います。その演習を積み重ねることで難関大の特徴や要求が自分なりに見えてくるはずです。その自分なりに看取した特徴を土台に加えることで、日本史の力が応用的な力へと変化します。
以下に私なりの推薦図書を挙げておきます。ただ、私の推薦を鵜呑みにせず、書店に足を運び、自らの目でみて決めて下さい。自ら良いと思った本が最強•最良の本です。
・共通テスト対策本
共通テスト日本史が一冊でしっかりわかる本
(かんき出版/原始~中世編•近世~現代編)
・正誤問題集
日本史全レベル問題集2-共通テストレベル-(旺文社)
日本史の点数が面白いほど取れる一問一答(中経出版)
・問題集(標準レベル)
基礎問題精構(旺文社)
*標準問題精構はかなり難しいです。
・問題集(難関私大•共通テスト)
実力をつける日本史100題(Z会)
入試精選問題集 HISTORIA
センターの過去問
どの科目もそうですが、「終わらせること」を目的にしてはいけません。科目内容をきちんと理解し、実践的なものへと昇華させることが最も大切なことです。なので、必ずしも「夏までに全時代を終わらせよう」と焦る必要はありません。夏を目安に、じっくりと考えながら土台を作り、その上に上智大学の旗を立てれば良いのです。
頑張って下さい。
コメント(1)
小海
4/2 8:07
ご丁寧にありがとうございました!通史を一度やって、問題演習にうつっていきます。頑張ります!