日本史は先に1周するべきか、しっかりと時代別に固めていくべきか
結論から申し上げますと、先にパッと一周してしまうのがおすすめです。ただし、日本史は世界史に比べてわりに時代の縦の流れが掴みやすいですから時代別であれば問題ないと思います。それでも、私であればまず一周してしまうと思います。そうすることによって「全体像をやんわりつかむ」のです。これは暗記とはまた違います。誤解を恐れずして言えば、読書の感覚で、あるいは日本語を正確に理解するくらいの姿勢でまず通史を概観してみるのです。暗記から入ってしまうと、こうした
時代の流れが蔑ろになってしまいがちですので、これは大切にしてください。歴史はまず流れですから。以降の暗記は、このときに何となくでよいのでつかんだ流れみたいなものにひたすら肉付けしいくイメージの勉強になります。これが一問一答でしょうか。以下に一問一答の扱い方の例を示します。
まずその単語帳を一冊ざっと目を通します。通史を概観するときと同じですね。このとき、同じ単語やページに長い時間をかけてはなりません。ある程度、「ああこんな語句があるのか、この語句聞いたことあるな」くらいで、次々に前にいって、おそろかにしてはなりませんが、きもち丁寧くらいでとにかく早く一周、目を通します。これによって全体像を脳の潜在下でなんとなく感じます。加えて、「生まれてこの語句一度もみたことがない」という事態がその単語帳において事実上なくなりますね。これは精神的にもとてもうれしいし、以降の暗記作業において無意識下で有効に働いてくれます。ですからとにかくはやく初めての一周を終わらせてください。
この後はひたすら演習(赤シートで隠して「思い出す(思い出せずプチ悔しい思いをする)経験」を積みます。このときも、どんどん前に進んで最後までたどりつくことをめざしてください。同じと
ころで長らくとどまっていてはいけません。ある程度覚えたと思ったら、すぐ次にいって、そのかわりまた「戻ってくる」すなわちその単語帳を反復するのです。
その語句をどれくらい長い時間かけてみたか、ではなく何回・何度見たかが最も肝腎になってっき
ます。もっと肝腎なのは、その語句を「何回思い出したか」です。ですから、赤シートや手で隠すこ
とを忘れないでください。覚えられていなくて最初は苦しいですが、覚えるほど本当にはかどります。
さて、具体的にですが、赤シートで隠してなお思い出せた語句に印をつけていきます。多くの人は
分からない単語に印や付箋をつけると思いますが、私はこれをした当初、分からない単語だらけで
絶望してやる気がなくなりました。ですから、覚えたら覚えるほど(思いだされば思い出せたほど)に正の字の印を増やしていくのが精神的にもはかどると思います。進捗状況も目に見てわかりますし。こんな具合で単語帳がボロボロになるまで反復してください。
少し回答不十分なところもあるかもしれませんが、大事なのはやはり「演習」です。最初は、
通史にそんなに時間をかけず、どんどん演習しましょう。少し時間が経って、日本史の流れがあまり
にあやふやになってきたら、また教科書や参考書にたちかえって、全体をさっと一周するか、あるい
はあやふやに感じる時代のみをざっと一周します。そして、それを下地というか軸にして、
一問一答で肉付けしていきます。
日本史は「螺旋階段上」の勉強だと心得てください。なんどもなんどもぐるぐる歴史を回すなかで(教科書や一問一答などで)、すこしずつ理解を体系化していくイメージです。頭からじっくり
やっていっても、どうせ忘れてしまいます。忘れていいいのです。どんどん前に進んで、されど
すぐにまた戻ってくることを忘れないでくださし。反復(演習)すなわちアウトプット中心の
学習で日本史を得点の武器にしてください。応援しております。